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ジャパンCで見せた強さは何処へ・・・。エピファネイアの有馬記念での敗因を考えてみた ~2014有馬記念レース回顧vol.3~


 
 久々となるジャパンC、有馬記念連覇を期待されたエピファネイアは5着。

 個人的にデビュー前から注目していた存在で、デビュー戦を快勝した後は当ブログにて「エピファネイアはGⅠを勝つに相応しい超大物」的な記事を書いたほど、当時から入れ込んでいた存在だった。

 それだけに今春の大阪杯以来スランプに陥り、期待に応えられない姿を見続けていた時は本当に悔しかったし、前走ジャパンカップで見事な復活劇を成し遂げた時は現地で大喜びをした。

 そういう存在だけに一抹の不安を抱きながらも、「有馬記念だからこそ1番勝って欲しい馬の馬券を買う」との想いで単勝を握り締め、遠く阪神競馬場からモニター越しで応援していたのだが・・・。

 直線一旦先頭に立つも、後ろから襲い掛かるジェンティルドンナに並ばれた瞬間、抱いていた不安が現実になったことを実感した。


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生涯最高の出来に映ったパドックでの姿

 まず有馬記念当日のエピファネイアの状態について記そう。

 ジャパンカップの時は現地で、今回は阪神競馬場のモニター越しだったので正確な比較はつかないのだが、筆者個人の感覚では当日のエピファネイアはジャパンC当時の出来を上回る、生涯最高の状態ではなかったかと思っている。

 馬体の造りや歩様、肌の張りは言うまでもないが、何より凄かったのはモニター越しでも伝わるその威圧感。これは本当に凄まじく、これほどのプレッシャーを感じた馬は約20年の競馬キャリアの中でも殆ど記憶に無い。

 それ程の覇気を感じさせているのにも関わらず、その気持ちの高ぶりをジッと内に秘めてパドックを周回している姿に「ジャパンC圧勝を経たことにより、競走馬として更に一皮向けたのでは?」と感じたのだが・・・。


予想以上にスムーズだった折り合い

 前回、そして今回とそれまでエピファネイアの主戦だった福永祐一騎手がジャスタウェイに騎乗することになり、ここ二戦は新たなパートナーを迎えていた同馬。

 前走のジャパンCでは、その時東京競馬場で行われていたワールドスーパージョッキーズシリーズに参加する為に来日していたフランスの名手、クリストフ・スミヨン騎手に騎乗を依頼。

 ライアン・ムーア騎手などと並び、現時点で世界最高の騎手の一人であるスミヨン騎手に導かれたエピファネイアは、完璧に折り合ったとは言えないまでも圧倒的な走りを見せて快勝。2着に4馬身差をつける圧倒的な強さで復活の狼煙を上げてみせた。

 そして今回、そのスミヨン騎手が来日不可能な為に新たに白羽の矢を立てられたのが、関西のトップジョッキーの一人である川田将雅騎手。

 果たして世界最高の騎手でも完璧に乗りこなせたとは言えないエピファネイアを、川田騎手がどのように乗りこなすのか?今年の有馬記念における競馬ファン・関係者の最大の関心事の一つが、この乗り代わり問題だったのではないだろうか。

 まず最大の関心事だった折り合いに関してだが、これは想像以上に上手く押さえ込めたのではないかと思っている。

 懸念されていたスタート直後から1周目のスタンド前通過時でも多少行きたがる面は見せるものの、天皇賞時は勿論のこと、ジャパンC時よりもスムーズに折り合いが付いていた様に見えたエピファネイア。

 その後も1ハロン13秒台のラップが3つ続けて並ぶような相当スローな流れの中でも、以前はあれだけの掛かりっぷりを見せていた同馬にしては「馬が代わったのか?」と疑いたくなる位、スムーズに折り合っていた。

 その予想外に我慢が利く姿に、川田騎手も安堵と馬をコントロール下に置いているとの確信を抱いたのだろう。それまで高い位置に置かれていた手綱を持つ拳(コブシ)の位置が徐々に下がり始め、残り800mを通過する時点では首筋の地点まで下がっていた。

 その姿を見ていた筆者も、この時点でのエピファネイアと川田騎手の姿に「勝てる!」という思いを抱いたのだが・・・、今思えばこの時点の拳の位置が、その後の勝敗を分けるターニングポイントだったのだと思えてならない。


エピファネイアという競走馬の特性

 結論を述べる前に一つ明らかにしておきたいことがある。それはエピファネイアと言う競走馬の特性だ。

 一般的なエピファネイアのイメージ。それは良馬場よりは多少時計の掛かる馬場の方が得意で、瞬発力には欠けるものの長く脚を使うタイプの馬、そういうイメージだろう。

 共に道悪で行われた菊花賞とジャパンCを圧勝したことにより、そのイメージは更に強固になっていると思われる。

 しかしそのイメージは正しくないと筆者は考えている。エピファネイアはそういったステイヤー的な馬ではなく、逆にスピードとキレ(加速力)に溢れた中距離ランナーなのではないだろうか。

 「そんな馬鹿な!?実際有馬記念では上がり勝負でキレ負けしたではないか!」そういう声が上がるかもしれない。確かにその通り、有馬記念では確かに最後の直線でジェンティルドンナ以下に飲み込まれる結果となった。

 ただレースをもう一度良く観て欲しい。確かに最後の直線、坂を上り始めた辺りで明らかに失速し上りきった後で力尽きて馬群に飲み込まれてしまったが、レースが動き始めた残り600mから直線入り口にかけて、現役屈指のスピードとキレを誇るジェンティルドンナの追撃を、逆に突き放す脚を見せているのだ。

 こういった芸当はジェンティルドンナと同等か、それ以上のスピードと加速力がないと出来ない。しかもジェンティルドンナは別に仕掛け遅れた訳でもない。

 こういった場面は別に今回だけに限った訳ではなく、前走のジャパンCでも見られた。

 リプレイを見て頂ければ分かると思うが、残り500m過ぎでエピファネイアが先頭に並びかけ、スミヨン騎手がそれまで高い位置に置いていた拳を下げた瞬間、エピファネイアは一気にピッチを上げてラストスパートを開始。エピファネイアよりも100mは前で追い出しを開始され、充分に加速できていたジャスタウェイ以下を一瞬の内に突き放している。

 競馬の世界における「キレ」とか「瞬発力」(※どちらも本来は加速力を指すと思われる)という言葉は色んな場面で乱雑に使われており、その字面から意味を予想し辛くなっているところがある。書き手が想定した「キレ」の意味と、読み手が想像する意味が合わないことは良くある筈だ。

 戦前、有馬記念の予想記事などにおいて「エピファネイアはキレないから瞬発力勝負は不利」という見解が良く見られた。しかし先のジャパンCや有馬記念のレース振りを見れば、同馬が「キレ」「瞬発力」に欠けるという見解が誤っているのは明らか。それどころか一般的なイメージであるジリ脚だが末脚の持久力に富むとは真逆で、使える脚が極端に短い馬なのである。

 同馬はここまで直線で急坂が存在する中山で3敗、阪神で1敗しているが、後ろから追い込む競馬となった大阪杯以外は直線坂下までは勝つような勢いで先頭に立つも、坂を上り始めてからはその勢いが一気に失われ後続に飲み込まれる競馬が続いている。

 また最後までそれなりに伸び続けていた大阪杯でも、コーナーで見せた勢い程の末脚は直線の坂では見せられなかった。

 これは急坂がそんなに得意ではないということもあるだろうが、ラストスパートを掛けれる区間が短く、既に末脚を使い切った状態で急坂に突入するからこそ引き起こされる失速だと筆者は考えている。

 逆にGⅠを勝っている京都は直線が平坦だし、東京も坂があると入ってもダラダラとした上り坂で、中山・阪神ほどパワーは要求されずに、また上り切ってからゴールまでの平坦な部分も長い。

 最後の直線が平坦(若しくは近い)であれば、例え残り100mの地点で末脚を使い切ってしまっても既に充分スピードは乗っており、また坂のような大きな失速を招く要因もないことから、左程失速せずにゴール板まで走り抜けることは充分可能だ。

 菊花賞やジャパンCで圧勝したのも実はこれが要因で、ゴール板に飛び込んだ時についている着差は、ゴール前100m地点で既に付いている。エピファネイアが勝利した幾つかのレースの中で、最後まで引き離し続けたレースなど新馬戦ぐらいなものだろう。

 これら分析から、世間一般がエピファネイアに抱いているスタミナ豊富でジリ脚というイメージは誤りで、実はスピードとキレに優れ、且つ他の一流馬に比べると脚の使える区間が短い馬というのが同馬の本当の姿だと明らかにしておきたい。


最後の直線で失速した要因の一つは急坂

 さて前置きが長くなってしまったが、ようやく有馬記念におけるエピファネイアの敗因について考えを述べよう。

 折り合いも予想以上に付いていて、しかも実は瞬発力勝負でもジェンティルドンナにそれ程引けを取らない同馬がなぜ敗れたのか。

 思い浮かぶ要因は2つ。その内の1つは直線の急坂である。

 この急坂を苦手とする面に関しては、確固とした確信を持つ以前から「もしかしたらエピファネイアは急坂が苦手なのでは?」と思っていた。

 1番最初にその事が気になったのが、2歳時のラジオNIKKEI杯2歳ステークス優勝時。

 この時もレースは超が付くスローペースで流れ、エピファネイアは4コーナーを唸るような手応えで回ってきたのだが、いざ直線に入ると意外と伸び悩み、2着のバッドボーイに半馬身差しか付けられなかった。

 あの時の唸るような手応えなら、正直もっと差を付けてもいい筈・・・。その思いはその後弥生賞・皐月賞で連敗し、勝ったとは言え神戸新聞杯の坂上でふらついた姿を見た時に疑念へと変り、今回の敗戦で確信となった。

 父のシンボリクリスエスよりも、母シーザリオやスペシャルウィークの血が濃いと言われているエピファネイア。実際以前から筆者もそう思っていたが、予想以上に父からは中山適性を引き継ぐことは無かった様である。

 ここまで述べた急坂の存在がエピファネイア失速の要因の一つであることは疑いないが、ただ主となる要因と言うわけではない。無視できぬ影響は与えただろうが、次に述べる要素こそが最大の敗因だろう。


反応の良さが諸刃の剣に

 それは・・・早仕掛けである。

 「・・・えっ?」と思われる方がいるかも知れない。いやそう思う方の方が大多数だろう。レース映像をそのまま見ていれば、一見後続を引き付け過ぎた為に川田騎手の仕掛けが遅れ、後続に飲み込まれたように見えるからだ。

 実際レース直後は筆者もそう思っていた。スピードと切れに優れた馬だと思っていたが、実際は多くの評論家諸氏が述べていたようにジリ脚で、瞬発力勝負で敗れたのかと。

 しかし何度もレースを見直す内にやっぱり腑に落ちなくなってきた。いくら急坂が苦手とは言えジェンティルドンナを上回る加速力を見せた馬が、なぜあそこまで失速してしまうのかと。

 その時、ツイッター上でラップ分析の大家である@mahmoud1933さんが以下の呟きをした。


 これでもしや・・・とピンと来たのでレース動画やパトロールVTRを見直してみると、レースの残り600mハロン棒付近、ちょうどヴィルシーナを交わそうと並びかけた時点で、鞍上の川田騎手は何も合図をしていないのにエピファネイアは一気にピッチを上げラストスパートを開始していたのである。

 先ほども述べたが、エピファネイアは抜群に反応が良い馬である。普通スピードというものは個体差こそあるものの徐々に上がっていくものだが、エピファネイアはそれこそ一瞬の内にトップスピードに乗ってしまう、エリートだらけの競走馬の中でも稀有な存在だ。

 今回もパトロールVTRを良く見ると、逃げるヴィルシーナに外から並びかけた時にそれこそ今までの倍近いスピードで後肢のピッチが上がっている事が分かる。

 この反応の良さは時には武器となるが、時には諸刃の剣として自身に降りかかって来るものなのだ。

 例えば圧勝したジャパンカップの時は残り500m付近でラストスパートを開始し、残り400mにかけてグングン加速してセーフティリードを気付き上げ、その勢いのまま一気にゴール板へとなだれ込んだ。

 しかし今回はそのジャパンCの時よりも100m手前である残り600m地点でラストスパートを開始。これだけでも最後苦しくなることは充分予想されるが、それにプラスして直線には大きな失速をもたらす急坂も待ち構えていた。

 ジャパンCの時ほどセーフティリードを作れておらず、すぐ後ろから追い掛けて来るのは現役屈指の機動力を持つジェンティルドンナ。そこに早仕掛けと苦手な急坂と言う要素が加われば・・・直線、抵抗むなしく馬群に飲み込まれたのも当然の結果と言えるだろう。


なぜエピファネイアは勝手にスパートしてしまったのか?

 では何故エピファネイアは勝手にスパートを開始してしまったのだろう?直接的な原因として考えられるのは、残り600m付近でヴィルシーナを交わしにかかった事を、馬がゴーサインだと勘違いしたと言うことではないだろうか。

 先ほどからジャパンCの話を何度もしているが、あの時も残り500m付近で先頭に並び掛けると馬が一気に加速し抜け出している。実はこの時、鞍上のスミヨン騎手は馬に息を入れようとしたらしいのだが、馬が勝手にスパートしたことを察知しその考えを放棄。その反応に驚きながらも追い出しを開始し、馬のスパートを助けている。

 しかし今回、川田騎手はスミヨン騎手とは逆に手綱を引いて「まだ早い」と抑えようとした。しかしその動きは軽いもので、彼自身エピファネイアが既にラストスパート体制に入っていることは気付いていなかった可能性は高い。

 既にラストスパートに突入しているエピファネイア。予想以上に折り合いという今回最大のミッションが上手く行き、馬が自身のコントロールの下にあるとある意味錯覚を抱いてしまっていた川田騎手。

 その人と馬の意識のズレは途中まで上手く行っていたレースプランに大きな狂いを生じさせ、ゴール板を通過するまでそのズレに気付き、修正する暇を与えなかった。

まとめ

 今回有馬記念のエピファネイアの走りを振り返る上で色々考えたのだが、エピファネイアという競走馬はクルマで言うとギアが2つしかない競走馬なのではないだろうか?要はオンとオフしか選択肢がないのである。 

 圧勝したジャパンCの時も道中は常にクルマで言う4速ぐらいのギアで走り続け、直線前が開くと5速をすっ飛ばして6速へとギアが入ったような走りを見せた。

 正直こういうような馬は世界でも稀だろう。操縦の難しい馬と言われても、大体ギアは4つぐらいは持っているもの。あのオルフェーヴルだって癖馬だと言われてもギア2つと言うことは無かっただろうし、日本の歴代の名馬の中で近い存在といえば、それこそ実は相当難しい馬と言われたディープインパクトぐらいしか思い浮かばない。

 そういった馬だけに今まで同馬に跨ってきた騎手たちが、皆総じて苦労しているのは当然なのかなと思う。今回もしスミヨン騎手が続けて騎乗していたとしても、ジャパンCと同じように乗れたという可能性は、正直それほど高くないのではないかと思っているぐらいだ。

 今回の川田騎手は初騎乗ということを考えれば、良く頑張ったのではないだろうか。日本競馬史上でも屈指の乗り難しさかも知れない馬を、中山というトリッキーなコースにおいてテン乗りで結果を出すことは、至難の業なのは間違いない。

 ただ勝負の世界であり、またプロの世界である以上、負けたけど良くやったと諸手を挙げて労うのは正しい行為とは思わない。情状酌量の余地があったとしても、ミスや敗因が明らかならばそれを提示し、失敗を糧として成長を促すことこそが本当の優しさだと思う。

 今回川田騎手は彼なりに良くやった。しかし良くやったと言っても勝てなかったのも事実。

 この敗戦を「頑張ったけど負けた。仕方ない」で終わらせるのではなく、何が敗因で自身に何が足りなかったのか考究し、自身の更なる成長へと繋げて欲しいと思う。
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[ 2014/12/29 22:53 ] レース回顧 | TB(-) | CM(-)


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