21日の京都競馬9R、つばき賞を快勝したディープインパクト産駒キロハナ。
その鮮やかな勝ちっぷりと血統から、クラシック候補との呼び声も高くなってきた同馬だが、実際どのような馬なのか?レースを振り返りながら検証したい。
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ポテンシャルの高さは重賞級
父と母父の影響が良くでた馬体
パドックを確認した印象だが、いかにもディープインパクト×キングカメハメハという配合らしく、胴の若干詰まった、しかし見栄えのする馬体だなという印象。
胴の短さに比べて脚は標準かやや長く、普通のマイラー体型の馬よりも距離はこなしそうにみえた。ただ基本母父のキングカメハメハの血が濃く出ている馬体をしているので、ベストはマイルから中距離ではなかろうか。
この時期の3歳馬にしては非常に背腰がしっかりとしており、パドックでも体幹のブレなくスッスッと歩けていた。仕上がりの良さも非常に目立っており、完成度・状態共に非常に高いレベルに有ると思われる。
トモがしっかりしていてやや筋肉質のタイプなだけに、重馬場もある程度はこなすのではなかろうか。蹄の形や繋ぎの柔軟性等からも、やや重ぐらいなら問題ないと思う。
直線での切れは見事
スタートは良い感じで出るも、先々のことを考えてか出していかず控える競馬を選択。
道中はゆったりと動けていて何ら問題なく進む。途中13秒台のラップが計時されたようにスローな流れだったが、行きたがるような場面は見せなかった。気性的にかなり大人で、操縦性は高い馬だろう。
3コーナー過ぎから京都外回りのセオリーどおり徐々に仕掛けていくが、ここで思ったほど進んでいかない。この区間は京都名物の下り坂になっているのだが、ここで加速するのに手こずっていた印象を受けた。
キロハナは若干トモ高の体型をしており、また前肢もそんなに伸びず僅かであるがつんのめる様な走り方をする。こういう走り方をする馬は基本そんなに下り坂は得意でない。もっとキコウが伸びて身体を起こして走れるようになれば改善されるのだろうが。
またそういう馬は前肢の捌きも上手くないので、勢いが付いていた事もあり直線入り口では外に振られてしまった。この辺は今後の乗る側も考えて乗らなければならないだろう。レベルの高いレースでああいうロスを生じると、致命傷に繋がりやすい。
ただ態勢を立て直してからの伸びは見事だった。反応の良い馬で軽く仕掛けただけで馬がゴーサインを理解し加速。ピッチも一気に速くなりあっという間にトップスピードに乗った。
このレースの最後2ハロンの公式ラップは11秒2-11秒2となっているが、おそらく同馬は10秒9-10秒7ぐらいの脚を使っているのでは?この血統らしい、素晴らしい瞬発力とスピードだと思う。
ただ注意しておきたい点が一つ。
このレースにおいて最後の直線は余り追われなかった為、もっと追ってれば更に伸びたように感じられがちだが、馬自体はピッチも上がりきっちりと脚を使い切ってる印象で、真面目に追ったからと言っても更に伸びていた可能性は低いだろう。
せいぜいあと半馬身から1馬身差が付くのがやっとだったと思われる。
将来性は充分
これで2戦2勝。そしてこのレースのインパクトを見ても分かるように、キロハナの将来性は充分高い。ポテンシャルは優に重賞級なのは誰が見ても分かるのではないだろうか。
ただクラシックの有力候補との呼び声も出てきたが、適性的に皐月賞やダービーはあまり合わない気もしないでもない。現状前半スローな流れから一瞬の脚を活かすのが持ち味の馬で、流れが緩まないGⅠの舞台だと切れる脚が使えるのか不透明だ。
元々ディープ産駒は中山コースを苦手としているし、母父キングカメハメハの産駒も中山自体は得意だが、道中緩まない持続力勝負になるとイマイチ良さが出なくなる。
一応同馬は祖母がノースフライトなので、持続力に長けるトニービンの血を引いているが、馬体やレース振りを見る限り父と母父の影響が色濃い印象で、曽祖父の影響はそれほど受けていないようだ。
今後馬体が成長していくにしたがってもしかしたら変わっていくかもしれないが、現状では皐月賞やダービー向きの馬では無さそうな気はする。
ということで3歳春の時点で一番現実的な目標は、NHKマイルCかな?個人的には毎日杯からNHKマイルCへというローテが、一番余裕があって馬にも良さそうに思えるが。
果たして陣営がキロハナにどういうジャッジを下すのか?今後の注目したい。
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