日本でもお馴染みの、世界的名手クリストフ・スミヨン騎手。
そのスミヨン騎手が先週3ヶ国で騎乗し、それぞれの国で重賞制覇を果たすという離れ業を成し遂げた。
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3ヶ国で重賞3勝の離れ業
1番人気馬をマークし快勝
まずは2月15日、この日は香港のシャティン競馬場で騎乗していたスミヨン騎手。メインの香港短距離シリーズ第2戦、チェアマンズスプリントプライズ(香G1)でGⅠ2勝馬ながらも、初の1200戦への出走となったGoldFunに騎乗。
好スタートから1番人気に支持されたAerovelocityをマークする形でレースを進めると、直線ではAerovelocityの外に出し猛追。最後は僅かアタマ差ながら差し切り快勝。初のスプリント戦を克服し、GⅠ3勝目をGoidFunにもたらした。
上がり33秒2の末脚を引き出し完勝
続いては2月19日、この日はドバイ・メイダン競馬場で騎乗していたスミヨン騎手。この日のメインはドバイWCデーへの前哨戦の1つであるG2バランシーン。日本絡みだと、過去にブラックエンブレムが出走した(9着)ことがあるレースだ。
このバランシーンで騎乗していたのが、これもドバイWCデー前哨戦の1つであるG2ケープヴァーディを快勝したCladocera。ここはメンバー的にケープヴァーディの再戦といった雰囲気で、Cladoceraは1番人気に支持されていた。
レースでは後方からの競馬を選択したスミヨン騎手。1000m通過が1分04秒23という結構なスローペースとなり、位置取り的に向かない流れとなったが、直線では1頭別次元の末脚を見せて突き抜ける。
最後はTRAKUS公式で33秒254という、日本でも中々お目にかかれない末脚で快勝したCladocera。ここは力量的に抜けていた感はあったが、ソツなく馬の力を引き出して見せたスミヨン騎手であった。
2番手から抜け出しあっさりとG1制覇
そして最後となるのが、22日にシンガポール・クランジ競馬場で行われたG1シンガポールカップ。
このレースではParandaに騎乗したスミヨン騎手。大外枠からの発走となったが、スタートをしっかり決めるとスッと内に入れて2番手を確保。そのまま流れに乗せると、直線では逃げた馬をあっさりと交わし先頭へ。
直線では後ろから迫ってきた馬に一瞬並びかけられるような場面は有ったものの、そこから二の脚を使い引き離して見せたParanda。最後は後続に2馬身半ほどの差をつけて先頭でゴール板を通過した。
こうして1週間で3つ目の重賞制覇を成し遂げたスミヨン騎手。内訳はG1を2勝、G2を1勝と文句ないもので、さすが現時点でライアン・ムーア騎手と並ぶ世界最高の騎手といわれるだけのことはある。
「テン乗りだろうとスポット参戦だろうと関係ない。キッチリと結果を出してみせる。」こういったところが世界中の競馬関係者から引っ張りだことなる所以なのだろう。
あの乗り難しさでは世界最高レベルと思われるエピファネイアでも一発回答を示したスミヨン騎手だ。この1週間で重賞3勝という偉業も、本人にしてみたら当たり前のことなのかも知れない。
ドバイWCではエピファネイア騎乗が有力視
これだけの素晴らしい技量をもつスミヨン騎手。また短期免許を取得し日本でも騎乗してもらいたいところだが、大物馬主であるアガ・カーン殿下と専属騎乗契約を結んだ事や、日本の裁決との度重なるトラブル、そして年齢を重ねた事により減量がきつくなり、軽い斤量のレースが負担となってきたことから、本人が短期免許の取得に消極的と聞いている。
今後は日本で騎乗するといっても、スポット参戦の形が多くなるのではないだろうか。
日本でその姿を見ることが少なくなりそうなのは残念だが、その技量は日本の関係者にも極めて高く評価されており、日本馬の海外遠征の際には騎乗する機会も多くなるだろう。
直近ではドバイWCに参戦するエピファネイアの鞍上候補として最有力視されており、また今のところ優先騎乗を求められるアガ・カーン殿下や、モハメド・ビン・ハリファ殿下の所有馬も出走を予定していないことから、おそらく本番では騎乗できるものと思われる。
果たしてJCで見せたハイパフォーマンスを、初ダートとなるドバイWCでも見せてくれるのか?スミヨン騎手がエピファネイアの力をもう一度導き出せるか大いに注目したい。
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