競馬界は『払戻率引き下げ』という禁断の果実に、決して手を伸ばしてはならない!


アダムとイブ

【サンスポ】経営難で初の払戻率引き下げ/オート
http://www.sanspo.com/keiba/news/20120510/koe12051012070000-n1.html
オートレースの売上金に占める当たり車券の払戻金の割合(払戻率)が初めて引き下げられることが10日分かった。75%から70%に変更される。競輪、オートレースを統括するJKAによると、6月9日の川口オートから適用する。

オートレースや競輪は売上金の減少で経営難が続いている。このほどの法改正により、払戻率の変更が可能になったため、払戻金を減らすことになった。(共同)

『とうとう、禁断の果実に手を伸ばしてしまったのか・・・』
今回の報道を目にした率直な感想である。

今の時代、全ての公営ギャンブルが売り上げ難に苦しんでいる。
競輪・オートレースを統括するJKAの今回の判断が、果たして今後の売り上げにどのような影響を与えることになるのか?その動向を注視したい。
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●払戻率を引き下げた影響

今までオートレースは75%の払戻率で運営してきた。
例えば100億円の車券売り上げがあれば、その内25億円が主催者の収益となり、残りの75億円が車券的中者に購入した割合によって分配されるといった形だった。それが今回払戻率を5%引き下げたことにより、30億円が主催者の懐に入り、車券購入者は70億円しか配当されなくなってしまう。これをオッズ換算にすると、相当な影響を与えることは間違いないだろう。

JRAでもプレミアムレースと称して、通常の払戻金に『売り上げの5%相当を上乗せ』したレースを実施しているが、オッズも通常のレースと比べて結構高くなる。オッズが高ければ自然と購入意欲が増すものなので、プレミアムレースは普段のレースより売り上げが増す場合が殆どだ。

逆にオッズが低いと購入意欲は著しく下がる。それはそうだろう。単勝馬券を購入し見事的中したとしても、それが1倍台の低いオッズならば喜びも当然薄れてしまう。馬券を購入する以上、やっぱり大きく儲けたいと思うのが人情。ハイリスク・ハイリターンならともかく、ハイリスク・ローリターンのモノに、誰が好き好んで手を出すと言うのだろうか?

オートレースを統括するJKAが下した今回の決断。
個人的には、今後のオートレース振興にとって『致命的な誤断』になるのでは?と危惧している。一時的には売り上げは上がるかもしれない。しかし人間は正直だ。以前より儲からないと自覚すれば、それこそ水が引くかのようにファンは去っていってしまうだろう。その時、果たしてオートレースを支えていく手立て・秘策ががJKAに有るのか?公営ギャンブルの仲間として、オートレースの将来が心配でならない。


●地方競馬にとっても対岸の火事ではない

今回の件は地方競馬にとっても対岸の火事ではない。
売り上げに苦しんでいるのは、全国の地方競馬場も皆同じだ。今年も今後の売り上げ回復の目処が立たないという名目で、荒尾競馬が廃止されたばかり。現状は一層厳しさを増すばかりで、各地の地方競馬関係者にとっては何時やってくるかも分からない『競馬場廃止』に脅えながら、日々を暮らしていると言ってもいい状況だ。

そんな追い詰められた状況が長く続く中、今回のJKAのように『禁断の果実』に手を伸ばす者が現れないと、誰が断言できようか。

『現状の経営危機回避の為に、一時的に払戻率を下げます』
そう言って、誤った決断を下す主催者が登場する可能性は、残念ながら否定できない。追い詰められると人は弱くなり、その結果間違った判断をしてしまうのは、今までの歴史が教えてくれている。。。


●素晴らしい競馬文化を未来へ残すために・・・

どんなスポーツでもそうだが、一定の競技レベルを保つためには、『競技者人口がそれなりに多くないと、高い競技レベルは維持できない』と言われている。これを競馬に当てはめると、競技者人口=サラブレット生産頭数ということになろう。

現在、日本のサラブレッドの年間生産頭数はおよそ7000頭となっている。
勿論この7000頭全てがJRAに入厩し、デビューする訳では無い。半分以上の馬たちは地方競馬でデビューし走ることになる。しかしその受け皿となる地方競馬場が減ってしまえば、その分生産頭数は減少するだろう。生産者だって馬鹿ではない。需要に対して供給が上回ってしまう状態が意味を成さないことは、身に沁みて良く分かっている筈だ。

実際、現実問題として年々生産頭数は下がってきている。この悪い状況が今後も続けば、日本の競馬レベル低下は現実の問題として姿を現すことになる・・・。その段階まで行ってから対策を施しても、その時にはもう手遅れなのだ。

繰り返して言う。
今回のJKAの決断は、競馬界にとっても決して対岸の火事ではない。

これから先、末永く日本の競馬文化を紡いでいくためにも。
各地の競馬主催者には、生き残るための抜本的な改革を至急お願いしたい。


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[ 2012/05/11 22:00 ] 競馬雑談 | TB(0) | CM(0)
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