競馬は『我慢大会』では無い!!  ~第7回ヴィクトリアマイル(G1)レース回顧~


2012ヴィクトリアマイル

私が競馬を見始めた頃は、レースの結果は『人3、馬7』の割合で決まると言われていた。
早いものであれから20年余りの月日が経過した訳だが、現代の日本競馬は『人4、馬6』。もしくは『人5、馬5』の割合まで変化しているのではないか?最近は特にその様に感じるレースが増えていると、私は感じているのだが・・・。
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■各馬短評■

1着☆ホエールキャプチャ
ホエールキャプチャも強かったが、何よりも横山典弘騎手が完璧に乗った。それがレースを見た印象である。好スタートからポジションを取りに行き、好位の3番手をいち早くキープ。その後は無駄な動きをせずび気分良く馬を走らせ、レースの流れにスッと乗せた手腕は流石一流騎手のもの。ここをスムーズに乗り切れたことが、直線での確かな末脚に繋がったのだろう。同馬のレースラップを確かめると、道中一定のラップを正確に刻んでいることが分かる。同馬の終い3ハロンの上がり時計は33秒8だが、これは同馬が出すことが出来る限界に近い時計。同馬は元々そこまで切れる馬では無い。ディープ産駒などと切れ味勝負をしても負けることは分かりきっている。だから先行策は当然といえば当然なのだが、前任者は何故か後ろからの競馬に拘っていた。ちゃんとした騎乗が出来る騎手が乗れば、シッカリと結果が出せる馬。その事を示したレースだったと言えよう。

2着△ドナウブルー
ドナウブルーも、ウイリアムズ騎手の好騎乗が結果に結びついたといえる。好スタートから一気に2番手を取りに行った同馬。外枠ということもあり、一気にポジションを取りに行ってロスを最小限に抑えた。反応の良い馬だけにあまり出していくと掛かる危険性も有ったが、そこは名手。ピッタリと折り合わせた手腕は賞賛に値する。その形のまま直線へ向くと、ホエールキャプチャとの熾烈な叩き合いを演出。最後外にヨレて行ってしまったが、これは右手前で走っていたためだろう。馬というのは右手前で走っている時、後肢の推進力が右斜め前方へ働く。逆に左手前で走っている時は左斜め前方に働く。馬はその走りの構造上、真っ直ぐ走ることが中々難しい動物。パトロールビデオなどで直線の映像を観ると、よく斜めに走っている馬を見かけると思うが、あれは仕方の無いことなのだ。騎手も何とか真っ直ぐ走らせようと修正するが、やはり限界が有る。今回もウイリアムズ騎手は右ムチを入れて修正しようとしていたが、ドナウブルーも全力で出し切り苦しくなっている分、修正が効かなかった。そのまま馬体を併せていればもっと際どかっただけに、ここは少々惜しい気がする。

3着 マルセリーナ
スタートで行き脚がつかず、道中は中団やや後方から。結構行きたがっていたようだが、基本スローな流れだったことと、前走1400m戦を使った影響が有るかもしれない。抜群の手応えのまま直線を向くと、内を突いて仕掛ける。一瞬グンと伸びたところがあったのだが、そこで外のキョウワジャンヌに寄られて窮屈になったのが痛かった。あそこをスムーズに抜けられていたら、もしかしたら2着争いには加われたかもしれない。最後はやや脚が上がった格好になったが、これは道中折り合いを欠いた影響だろう。今回同馬にとってベストな舞台ではあったが、終わってみれば3着という結果。いよいよ桜花賞馬が復調してきたと受け取って良さそうだ。

4着 キョウワジャンヌ
正直そこまで出来がいいとは思えなかった。こちらも鞍上の柴田善臣騎手が上手く乗った一頭だろう。同馬のレース振りを振り返ると、一度も目に見えて手綱を抑えている場面が無い。ジワッと出して行き、ジワッと抑えていたという印象。この辺の当たりの柔らかさが、柴田善臣騎手の真骨頂だろう。直線も切れ味こそ劣ったが、最後までジリジリと伸びていた。現状同馬の力をフルに出し切った好騎乗だったと思う。

5着○アパパネ
こちらは中団からの競馬。中間稽古を強めた影響も有ったのか、道中結構行きたがっていた。何度も何度も鞍上が手綱を引っ張る場面があり、この辺が最後の伸びに影響をもたらした可能性は否定できない。直線ではジリジリとしか伸びずに5着に終わった訳だが、もともとサンデーの血を持たない同馬はそこまで切れる馬では無い。同馬の真骨頂はハイペースの消耗戦で、安定した末脚を繰り出すことにあり、今回のような切れ味勝負の競馬になると、もう少し前のポジションにいないと勝ち負けまでは持ち込めないだろう。まだ復調途上ということも有るが、基本的には衰えたというわけではなく、レース展開のアヤで負けたと考えるのが正しいと思う。

6着☆マイネイサベル
スタートは良かったのだが、馬の行く気に任せていたら後方の位置取りに。その後これはマズイと思ったのか前のポジションを取りに行った訳だが、ポケットに入ってしまい途中で動けなくなってしまった。そのままポケットに入ったままポジションを下げながら直線へ。直線でも何度も内に外へと切り返し、鞍上の判断の悪さが目立った。最後の伸びは良いモノを見せていただけに、スムーズだったら馬券圏内も狙えたのでは?レースは生き物だけにしょうがない部分も有るが、最初にもう少し積極的な姿勢を見せていれば流れも変わっていたのでは無いかと思う。

15着▲フミノイマージン
後方から行くのが同馬の競馬なので、道中の位置取りはまあしょうがない。しかし直線での鞍上の判断の悪さには正直呆れた。外に出すことばかりに拘り、直線半ばまで全く追えない状態。内は空いていたのにも関わらず、で有る。さすがにこの日の展開では、スムーズに行っていても掲示板が有ったかどうかだろうが、それでもレース後の感想はまだ違っていた筈だ。春の天皇賞以来、池添騎手は完全にスランプに陥っている模様。太宰騎手だったら・・・と思わずにはいられない。

16着◎オールザットジャズ
正直ここまで負けるとは思わなかった。行き脚がつかず後ろからの競馬になったが、それでも力を考えればもう少し前の着順が当然な筈。パドックでもチャカチャカうるさかったし、気持ちの面で本物ではなかったのかもしれない。これが同馬の実力とは当然考えにくく、次走以降もう一度見直したい馬だ。


■感想■

レースを勝ちに行った騎手と、そうでは無い騎手の差が如実に現れたレース。
今回のヴィクトリアマイルはそう言っても良いレースでは無いだろうか。

現代の日本競馬ではレースの前半馬に必要以上の我慢を強いて、レース後半に一気にスパートするという競馬が非常に多いが、最近はそういった競馬を好む騎手たちを嘲笑うかのように、前でノビノビと競馬した馬たちが好成績をを残すという結果が続いている。今も昔も、競馬は基本的に前に行った馬が有利なスポーツだ。この当たり前の事実を、馬鹿の一つ覚えみたいに『脚を溜めて』と繰り返す騎手たちはどう捉えているのだろうか?

競馬は道中いかに『我慢するか』ではなく、ゴール板を『先頭』で通過する事を競うスポーツだ。
この当たり前の事実をしっかりと受け止める騎手が増えない限り、今後も外国人騎手や地方出身騎手、一部のベテラン騎手たちが、大レースを独占する構図が変わることは無いだろう。

競馬にとって、騎手とは競走馬と並ぶ大事な存在だ。しかしこの情けない現状が今後も続くならば、いつしか騎手は競馬ファンにとって罵倒の対象にしかならなくなってしまうだろう。そうなれば日本競馬もお終いである。

そういった事態を招かないためにも、今後の日本競馬を背負っていくべき立場の中堅・若手騎手たちには、今すぐにでも意識改革をお願いしたい!と切に願うばかりだ。


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[ 2012/05/15 07:07 ] レース回顧 | TB(0) | CM(1)
こんばんは。

アパパネに関する回顧、参考になりました。
おっしゃる通り、同馬は速いペースで結果を出していることが多いですね。これは見落としてました。

牝馬GⅠ完全制覇にはエリザベスを残すのみなので、まだまだがんばってもらいたいです。
[ 2012/05/19 20:43 ] [ 編集 ]
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