●レース展開●
大きく出遅れる馬もなく、まずまず揃ったスタート。
好ダッシュを見せたサクセスセレーネが、そのまま先手を窺う構えを見せるが、内からエイシンキンチェム、外からレディーメグネイトがサクセスセレーネを交わして前へ。お互いに譲らず競り合う形で飛ばしていく。
飛ばす2頭を見る形、好位3番手に1番人気のアイムユアーズ。ななめ後ろに並ぶ形でファインチョイスとアンチュラスが追走。アイムユアーズの真後ろにはレッドクラウディア。ビウイッチアスとイチオクノホシはちょうど中団を追走。ラシンティランテは後方を追走。最後方からはプレノタートが追走する流れとなった。
前半600m通過は34秒3。時計の掛かる馬場を考えると相当厳しい流れ。前の2頭が相当に飛ばしており、緩むところの無い厳しい流れのままレースは展開。先団に位置した馬たちにとっては、かなり苦しい展開となった。
エイシンキンチェムとレディーメグネイトが雁行状態のまま、最後の直線へ。
直線に入って直ぐ、アイムユアーズが先頭に立つ。
同じように好位を追走した組は、厳しい流れに脚を消耗し抜け出した同馬を追走できない。
代わりに内から中団を追走していたビウイッチアスが、溜めていた末脚を爆発させ前へ。
馬場の大外からは、最後方で脚を溜めていたプレノタートも勢い良く追い込んでくる。
しかし厳しい流れも何のその、アイムユアーズの末脚は全く衰えず。
逆に内から迫る勢いだったビウイッチアスの方が、最後の一踏ん張りが効かず脚が上がってしまう。
最後は一旦は迫られたビウイッチアスを突き放す脚を見せたアイムユアーズ。
ファンタジーS以来の重賞2勝目を飾ると共に、昨年暮れの悔しさを少しは晴らす勝利となった。
●各馬短評●
1着 アイムユアーズ (N・ピンナ騎乗、手塚貴久厩舎)
あの速い流れを3番手で追走し、直線早めに抜け出して勝ち切るのだから、その強さは間違いなく本物だろう。これだけの走りを見せられると、今回出走した16頭の中では格が違ったかなという印象を受ける。ただこの距離でこれだけの強さを見せられると、逆に本番のマイルではどうなんだろう?と思わないでもない。それ程切れる脚を使える印象は無いので、流れの緩むマイル戦で切れ負けしなければ良いのだが・・・。
2着 ビウイッチアス (武豊騎乗、武藤善則厩舎)
中団の内で上手く脚を溜め、直線は内から抜けてくるという会心の競馬。これで届かないのだから勝ち馬とは力が違ったとしか言い様が無いだろう。最後の1ハロンで脚が上がったの様に、ダイワメジャー産駒では有るが、母父のガルチの影響が強く出ている模様。今後は時計の掛かる馬場で行われる1200m戦で再度狙いたいところだ。
3着 プレノタート (安藤勝己騎乗、牧浦充徳厩舎)
最後方追走から、直線一気の追い込み・・・。実にアンカツさんらしい騎乗振りであった(苦笑)。何せ先行馬にとって厳しい流れであったので、展開が嵌った感は否めないところではある。ただ本来は軽い馬場で切れを生かすタイプだけに、この重い馬場でここまで走れたのは成長ととって良いのでは。本番でも食い込む余地が全く無いとは言い切れない。
4着 イチオクノホシ (石橋脩騎乗、矢野英一厩舎)
道中は中団を追走。外枠で脚を使ったということも有るが、それでも思ったほど伸びなかったなという印象。この馬もやはり軽い馬場で切れを生かすタイプなんだろうと思う。個人的には桜花賞よりも、オークスで狙ってみたい馬である。
6着 ラシンティランテ (四位洋文騎乗、友道康夫厩舎)
中団後方を追走から、直線ジリジリ伸びて6着。この馬も今の阪神の馬場は合っていないと思われる。この馬の実力を発揮できるのは、東京や京都といった軽さと切れが生きる舞台だろう。中山や阪神といった重い馬場では買えない存在だ。
7着 レッドクラウディア (浜中俊騎乗、石坂正厩舎)
パドックでは一番目立つ馬体をしていたが、やはり歩様の硬さは気になった。結果として好位後ろを追走して7着。厳しい流れもあったが、やはり芝は向いていないようだ。今後はダートの短い所での走りを期待したい。
9着 アンチュラス (川田将雅騎乗、安田隆行厩舎)
まともならここまで負ける馬ではないだけに、やはり調子がイマイチだったのだろう。追い切りでも併走馬にかなり煽られていたし・・・。賞金的に本番出れるかどうか微妙だが、再度の立て直しを陣営には期待したい。
●総括・感想●
レースの格とは人が決めるものではなく、積み重ねられてきた歴史・重みによって決められるものだと思っている。
弥生賞が牡馬クラシックの登竜門、最重要トライアルレースと呼ばれる由縁は、同レースから数多くのクラシックホースが誕生したという歴史が有ってこそのもの。その重みによって弥生賞はGⅡに相応しいレースと称される。
ひるがえって今回行われたフィリーズレビュー。
こちらもGⅡの格を与えられたレースだが、果たしてこの格に相応しいレースかと問われると、残念ながら『相応しくない』と答えざるを得ない状況となってしまっている。
桜花賞のトライアル重賞と言えばもう一つ、チューリップ賞が存在するが、こちらはGⅢという格ではもったいないと思わざるを得ないほど、数多くのクラシックホース、GⅠホースを輩出してきた。
チューリップ賞とフィリーズレビュー。
どちらがGⅡに相応しいかと問われれば・・・答えは自ずと出てしまう。
GⅡの格に相応しくないと言われるフィリーズレビュー。
今年の出走馬たちは、今後この評価を改めさせるほどの活躍を見せてくれるだろうか・・・。
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正直ここから桜花賞ってイメージの沸く馬はいませんでした。
1400ってやっぱり中途半端なんでしょうか。