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鍛えて最強馬をつくる ~ミホノブルボンはなぜ名馬になれたのか~




ここに一冊の本が有る。
本のタイトルは『鍛えて最強馬をつくる  ~ミホノブルボンはなぜ名馬となれたのか~』
1992年、第59回日本ダービー馬に輝いたミホノブルボンを管理し鍛え上げた、故・戸山為夫調教師の著書である。
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戸山師といえば、スパルタ調教の代名詞的存在として良く知られている。
事実ミホノブルボンを始め、レガシーワールドやタニノハローモアなど、同師が管理した馬たちは皆スパルタトレーニングで鍛え上げられビックタイトルを獲得してきたわけだが、管理馬を鍛える戸山師の心の奥底には、常に馬に対する深き愛情と、『愛情を持って接すれば、馬はきっと応えてくれる』という強い信頼があった。

サラブレッドの世界は厳しい。
強き者は血を次代へ繋ぐことが許され、弱き者はそのまま淘汰される。
彼らが生き残るためには、レースで勝たねばならない。
彼らを勝たせるためには、他の馬たち以上に鍛え上げねばならない。
戸山は戦後の苦しい時期を、馬と共に生きてきた。人一倍、馬の事を愛していた。
だからこそ彼は心を鬼にして、愛する管理馬たちを鍛え上げた。
彼らが一日でも長く、幸せな余生を送ることが出来るように。

ミホノブルボンは、そんな戸山の信念と愛情の結晶だった。
戸山厩舎には良血馬と呼べる馬は殆ど存在しなかった。
大抵の馬が安馬ばかり。もちろん、ミホノブルボンとて例外ではなかった。
血統はそこそこ、1000万にも満たない安い馬だったと言う。
しかしその安馬が、磨けば光る可能性を秘めたダイヤの原石だった。
その可能性に気付いた戸山は、ある決意を胸にミホノブルボンを鍛えに鍛えた。

ちょうどその頃、戸山は食道ガンに冒されていた。
病室で『私から馬をとったらガンしか残らない』という冗談を口にしていたそうだが、内心自分に残された時間が僅かであることを悟っていたのだろう。
『ミホノブルボンを競馬人生の集大成に・・・』
そう考えた戸山は、全ての力と愛情をミホノブルボンに注ぎ込んだ。
そして、ブルボンはそれにしっかりと応えた。

大観衆が詰め掛けた府中の直線。
黄金に輝く馬体を躍動させ、ミホノブルボンはゴールへ向けて疾走する。
後方からはライスシャワーが、マヤノペトリュースが必死に追い縋るが、ブルボンとの差は詰まるどころか広がっていく。

鞍上の小島貞博は必死にブルボンを叱咤する。自身の夢の為に、そして師匠の正しさを世に証明する為に。その叱咤激励に応え、四肢を一杯に伸ばし最後の力を振り絞るブルボン。栗毛の鍛えられた馬体がゴール板を先頭で通過した時、彼は後続に4馬身もの差を付けていた。

満員の大観衆に、弟子と磨き上げた宝石が喝采を受けている様子を静かに見守っていた戸山は、それから一年後、自らの夢を叶えたダービーの前日にこの世を去った。享年61歳。

彼がその全てを注ぎ込んだミホノブルボンは、菊花賞で2着と敗れ、惜しくも三冠達成はならなかった。しかしそのエピソードと、彼が残した走りのインパクトで、今もまだ日本競馬史上屈指の存在として多くのファンに愛され、尊敬を集め続けている。

戸山は生前、一冊の本を書き進めていた。それが冒頭に述べた『鍛えて最強馬をつくる ~ミホノブルボンはなぜ名馬になれたのか~』である。残念ながら全てを書き終える前に戸山の容態が急変、絶筆となってしまったが、彼の妻や弟子たちがその遺志を受け継ぎ加筆。戸山の死から一月後の1993年6月、出版社から上梓された。

この本はミホノブルボンのことだけではなく、戸山の競馬観も大いに綴られていた。
その内容は多くの競馬ファン・関係者に共感と反響をもたらし、遂にはJRA馬事文化賞を受賞する。私も当時この本を愛読した一人だが、この本に巡り合えたことが、その後の人生に大きな影響を与えたことは間違いない。事実それから数年の後、この本を片手に一人北海道へ旅立つことになるのだから。

ミホノブルボンが制したダービーから、今年でちょうど20年が経過する。
この20年で日本の競馬は大きく変わった。戸山のように人情味に溢れ、弟子を大事にするホースマンは殆ど見られなくなり、代わりにビジネスライクに淡々と厩舎を管理する調教師が幅を利かせている。競馬ファンの世代交代も進み、当時東京競馬場を揺るがしたファンの熱狂も、今では完全に過去のものとなってしまった。

『戸山師が今生きていたら、今日の日本競馬に対してどのような感想を持つだろうか』
いま改めて氏の著書を読み返しながら、ふとそのような事を思い浮かべている・・・。


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[ 2012/05/25 10:00 ] 重賞プレイバック | TB(0) | CM(0)
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