6月30日にアイルランド・カラ競馬場で行われたG1アイルランドダービー(芝12ハロン)は、道中後方を進んだ1番人気キャメロットCamelotが直線外から力強く抜け出すと、最後方から追い込んできたボーントゥシーBorn To Seaの追撃を寄せ付けず、最後は2馬身差を付けて快勝。
昨年のデビューからの無敗記録を5まで伸ばし、G1も4勝目を記録した。
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●物足りないパフォーマンス?前走イギリスダービーでは圧巻のパフォーマンスを発揮したキャメロットだが、この日見せたパフォーマンスには、その時と比べると物足りなさを感じた人もいたかも知れない。
ただ、この日のカラ競馬場の馬場コンディションはSoft To Heavy。日本風に言えば相当な不良馬場という、決して良い馬場コンディションではなかった。
実際当日の馬場コンディションは相当酷かったようで、当初このレースは7頭で行われる予定だったのだが、あまりの馬場状態に2頭がスクラッチ(出走取消し)を行っている。出走を取消した1頭、インペリアルモナークを管理するエイダン・オブライエン調教師は、この日の馬場状態について『出走しているどの馬にも合わない』とコメントを残しているほどだ。
この馬場状態に、キャメロットも直前までスクラッチするかどうか悩んでいたらしい。キャメロットはモンジュー産駒らしく、硬い馬場での瞬発力勝負を得意とする馬で、道悪馬場は苦手としていた。それだけに今回の馬場は同馬の持つ長所をスポイルしてしまう可能性が高く、陣営も相当悩んだようだ。
最終的には出走することになった訳だが、直線ではいつもほどの爆発力を発揮することが出来なかったキャメロット。それでも他馬には力の差を見せ付けてキッチリと勝利するのだから、やっぱり現時点での欧州最強3歳馬の異名は伊達ではないと言ったところか。
古来から『名馬は条件を問わず結果を残す』という考えが根強く残っているが、その考えに基づくとキャメロットは真の名馬たる資格を得たと言えるだろう。今後はセントレジャーで英国三冠に挑戦する可能性が高くなってきたようだが、是非ともニジンスキー以来の英国三冠を達成し、歴史に名を残す名馬になって欲しいと思う。
●さすが超良血馬2着に入ったボーントゥシーは父がインヴィンシブルスピリット、母が凱旋門賞を制した名牝アーバンシーという血統の持ち主。ということはガリレオやシーザスターズの半弟に当たる訳で、極め付きの超良血馬と言えるだろう。
父がスプリント路線で活躍したインヴィンシブルスピリットという事もあり、ここまでマイル以上の距離では使われた事が無かったボーントゥシー。今回は一気の距離延長となった訳だが、全く問題等を見せることなくこなしてみせた。この辺はやはり、同馬の持つ血の底力が発揮されたと言うべきかもしれない。
今回距離を伸ばしてこのパフォーマンスなら、やはり今後はマイル路線よりも、中距離からクラシックディスタンス近辺を舞台に戦っていくのが良いのではないだろうか。今回はたまたま相手が悪かったが、メンバー次第ではG1制覇も充分可能な見込みは立った走りだったと思う。
数々の名馬を送り出してきた母アーバンシーは、2009年にボーントゥシーを出産した直後、合併症により亡くなっている。いわば母の命と引き換えにこの世に生を受けたと言えるのがボーントゥシーという訳であり、彼には母の為にも是非とも活躍して欲しいと願っている。
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