四冠馬オルフェーヴルなどの活躍で、近年脚光を浴びているステイゴールド。
2005年に初年度産駒がデビューして以来、ここまで14頭の重賞ウィナー(JRAのみ)を送り出してきた。
【ステイゴールド産駒の重賞ウィナー一覧※()内は主な獲得タイトル】- ドリームジャーニー(朝日杯FS、宝塚記念、有馬記念)
- オルフェーヴル(クラシック三冠、有馬記念)
- ナカヤマフェスタ(宝塚記念、凱旋門賞2着)
- マイネルネオス(中山グランドジャンプ)
- シルクメビウス(ユニコーンS、東海Sなど)
- サンライズマックス(中日新聞杯、エプソムカップなど)
- アルコセニョーラ(福島記念、新潟記念)
- マイネレーツェル(フィリーズレビュー、ローズS)
- ナカヤマナイト(共同通信杯)
- コスモプラチナ(マーメイドS)
- ソリッドプラチナム(マーメイドS)
- フェイトフルウォー(京成杯、セントライト記念)
- ゴールドシップ(共同通信杯)
- バウンシーチューン(フローラS)
こうやって見ると、実に個性派揃いである。
そして目付きが悪い産駒が多い(苦笑)
ステイゴールド自身も極め付きの個性派ランナーではあったが、そういった面も産駒に遺伝しているのだろう。ここまで遺伝力の強い種牡馬も、中々いないのではないだろうか。
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そう、遺伝力が強いというのは種牡馬として重要なことである。
近年JRAで活躍している種牡馬といえば、殆どが社台スタリオンステーション(※以下、社台SS)に繋養されている種牡馬だ。
昨年度の種牡馬リーディングで言えば、4位の種牡馬を除き17位まで同スタリオン繋養種牡馬が独占。
同スタリオンに繋養されれば、配合される繁殖レベルから半ば成功を約束されたようなものだし、逆にそれ以外のスタリオンで繋養されることになると、配合される繁殖レベルの格差から非常に厳しい未来が待っている・・・。
つまり社台SSに繋養されないということは、それだけで大きなハンデなのである。
先ほど種牡馬リーディングの話で『4位の種牡馬を除き』と書いたが、その4位の種牡馬がステイゴールドである。
同馬は白老ファーム生産のれっきとした社台グループ生産馬なのだが、種牡馬入りに際しては社台SSでは種牡馬入りできず、北海道日高町のブリーダーズスタリオンステーションで繋養されることになる。
この事からも、当初は種牡馬としてはさほど期待されていなかったことが分かる。
配合される繁殖牝馬も、殆どが日高の繁殖牝馬。それも社台SSで繋養される種牡馬に付けるほどでもないレベルの馬たちばかり・・・。
『これでは種牡馬としての成功はおぼつかない筈・・・。』
こう思っていたのは筆者だけではないだろう。
しかし・・・、その考えは良い意味で裏切られた。
初年度産駒からマイネルネオス・コスモプラチナ・ソリッドプラチナムという重賞ウィナーを3頭輩出すると、2年目の産駒からはG1・3勝の名馬ドリームジャーニーを輩出。一気に大ブレイクを遂げるのである。
その後もダートでG1級の走りを見せるシルクメビウス。凱旋門賞であわやの2着と好走したナカヤマフェスタなど、ジャンルを問わず活躍馬を輩出。そして極め付きが現役最強の四冠馬オルフェーヴル・・・。
正直、これほどの大活躍を誰が予想し得たであろうか。
『奇跡』と呼んでも良い活躍ぶりだと思う。
この活躍を生んだ最大の要因が、先ほど述べた『遺伝力の強さ』であろう。
近年の日本競馬でこれほどの遺伝力を見せた種牡馬は、同馬の他にはその父で有るサンデーサイレンスぐらいしか思い付かない。サンデーサイレンスはその競走能力の高さと、旺盛な闘争心を強く産駒に伝えていた。
ステイゴールドも父に似て、産駒に旺盛な闘争心を良く伝えている。
同馬の産駒は道悪競馬が得意であることはファンによく知られているが、これは体型的にそういった馬場が得意で有るということよりも、厳しい状況下に置かれても全く挫けない、強い精神力を備えている産駒が多いからではないか。
ステイゴールド産駒は不利を受けても、最後まで諦めないで走る馬が実に多い。
現 在、サンデーサイレンスの最良後継馬はディープインパクトと言われているが、個人的にはステイゴールドが最良後継馬ではないかと思っている。あの繁殖レベ ルでこの成績は驚異的であり、仮に社台SSで繋養されている種牡馬たちに付けられる繁殖牝馬を、ステイゴールドに付けたとしたら・・・余裕でリーディング サイヤーになるのでは?と思うのは単純すぎる考えだろうか。
まあ実際には相性やら有ってそう単純な話ではないだろう。しかしそういう妄想を可能とさせる魅力的な種牡馬であることは間違いない。
1994年生まれの同馬も、今年で18歳。
そろそろ種牡馬としても円熟の時期に差しかかろうとしている。
まずはいつも健康で、そして末永くファンや関係者に愛されながら暮らしていって欲しいと願う。
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これまでは繁殖牝馬に恵まれず、実力と相反して苦しい戦いが続いていましたが、この1~2年は種付け頭数も200頭を大きく上回っていますし、特に今年はシーズンの前半から予約が殺到しているので、繁殖牝馬のレベルも今までに比べて格段に上昇したはずです。
すでに18歳ではありますが、ステイゴールドの本領発揮はまだまだこれからと言った感じですね。