8月1日にイギリス・グッドウッド競馬場で行われたG1サセックスS(芝1マイル)。
ここに出走してきたのがデビュー以来ここまで無敗の11連勝、G1・7連勝中の怪物フランケルFrankel。世界競馬史上最強との声さえ聞こえてくる同馬が、ベストの1マイル戦でどれだけの強さを見せてくれるのか注目が集まったが・・・。
単勝1.05倍という圧倒的1番人気でレースに臨んだ彼は、競馬ファンの期待を裏切らぬハイパフォーマンスを発揮。輝かしい自身の戦歴にまた新たな勲章を刻んでみせた。
スポンサードリンク
●さながら公開調教と化したサセックスSフランケルのあまりの強さに恐れを成したのか、わずか4頭立てで行われることになったサセックスS。その内の1頭ブレットトレインBullet Trainはフランケルのペースメーカーなので、実質3頭立てのレースとなった。
このレース、打倒フランケルの1番手だったのがゴドルフィン所属の4歳馬ファーFarhh。プリンスオブウェールズSで3着、エクリプスSで2着を記録している強豪だが、ここまで重賞勝ちが無く力量は認めてもとてもフランケルには・・・という感じの戦前の評価だった。
もう1頭のガブリエルGabrialは、前走セントジェームスパレスS(英G1)を5着してここに臨んできた3歳馬。こちらもここまで重賞勝ちが無い馬で、重賞でのちゃんとした実績も前走のみという、正直格下と言って良い存在であった。
そんなメンバーを相手に、デビュー以来無敗の12連勝、G1・8勝目を賭けて走ることになったフランケル。レースではやや出遅れ気味のスタートから直ぐに態勢を立て直すと、半兄ブレットトレインが作った流れを2番手で追走。
淡々と2番手で流れに乗りそのまま直線に向くと、早くも先頭のブレットトレインに並びかけるフランケル。残り600mの地点で馬なりのまま先頭に立つと、追いすがるファーを尻目に楽な手応えで突き放しにかかる。
残り400mあたりで鞍上のトム・クウィリー騎手がゴーサインを出すと、後続に一気に10馬身ほどの差を付ける独走劇を演じたフランケル。最後は手綱を緩めて完全に流していた為に再び差を詰められたが、それでも2着のファーに6馬身差を付ける圧勝劇で、見事デビュー以来無敗の12連勝、G1タイトル8勝目を記録した。
●今勢いに乗っている血統フランケルは父ガリレオGalileo、母カインドKind、母の父デインヒルDanehillという血統の4歳牡馬。
ガリレオxデインヒルという配合はフランケル以外にも多くの活躍馬を輩出している組み合わせであり、現在欧州の競馬シーンでもっともホットなニックスと言って良いかも知れない。
また先日、芝12ハロンで行われた英G3ゴードンSをフランケルの全弟であるノーブルミッションNoble Missionが制しており、血統的にも今最も活力のある母系の1つであろうと思われる。
●いよいよ中距離転向へこの後は8月22日にイギリス・ヨーク競馬場で行われるG1インターナショナルS(芝10ハロン88ヤード・約2092m)に出走を予定しているフランケル。
インターナショナルSでは初めて1マイル以上の距離に挑戦する事になるわけだが、古馬になってから大分折り合いが付くようになってきたので、今ならば距離延長も充分こなせる公算は高いと思う。
ただ現時点でインターナショナルSに登録しているメンバーがかなり強力。フランスの現役最強古馬であるシリュスデゼーグルを筆頭に、キングジョージの覇者ナサニエル、ドバイWC馬モンテロッソ、G1・4勝の強豪セントニコラスアビーなど、現時点の欧州中距離路線の最強メンバーが登録してきた。
一応まだ登録時点なので全馬が出走してくるとは限らないが、それにしてもフランケルにとっては転向初戦でかなり厳しい戦いを強いられることになるのは間違いないだろう。
逆に言うとこのメンバー相手でもし圧勝するようなことが有れば、それこそ同馬の評価は天井知らずに上がる筈。あのダンシングブレーヴを超える、世界競馬史上最強馬の称号を得ることも充分可能となるだろう。
フランケルにとっては単に中距離転向初戦というだけではなく、自身の評価を上げる大事な一戦になりそうなインターナショナルS。
8月22日、全世界の競馬ファンの視線がヨーク競馬場・芝10ハロン88ヤードに集中することは間違いない。

競馬ブログランキングに参加しています
◆ブログ移転しました◆
新しいブログ『馬事総論ドットコム』を開設しました。今後はこちらのブログで更新を続けます。
新しいブログのURLはhttp://bajisouron.com/です。
恐れ入りますがお気に入りの変更をお願いします。
スポンサードリンク