8月1日に大井競馬場で行われたのが、ダート1マイルの重賞・第33回サンタアニタトロフィー(S3)
ここは5連勝中で2番人気に推されたピエールタイガーが、道中単騎逃げからそのまま粘りこみを図るところを、2番手で追走していた6番人気のゴーディーがゴール前で強襲。
必死で抵抗するピエールタイガーを外から捻じ伏せ、2着に半馬身差を付けて嬉しい重賞初制覇を飾った。
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●母はアラブの名牝イケノエメラルド
勝ったゴーディーは父プレシャスカフェ、母イケノエメラルド、母の父コノミテイオーという血統の4歳牡馬。
一般の競馬ファンには父・母・母父とも聞き覚えの無い名前だろうが、父のプレシャスカフェはハートレイクの産駒で、現役時代にCBC賞、シルクロードSという短距離の重賞を2勝して種牡馬入り。一世代のみ12頭の産駒を残した後、現在では乗馬として乗馬クラブで暮らしている。
母のイケノエメラルドはサラブレッドではなく、アングロアラブとして東海地区やホッカイドウ競馬で活躍した名牝。私も厩務員時代にいつも調教等で同馬を見ていたが、品のあって美しい牝馬だった事を覚えている。
バランスがとれた好馬体の牝馬は、仔に素晴らしい競走能力を伝えることが多いというのが実感としてあるのだが、それはアラブでも例外では無いということなんだろう。血統的ハンデを感じさせない、素晴らしい仔を輩出して見せたと思う。
今の時代、サラ系の馬はまず売れない筈。それでもその血を惜しみイケノエメラルドを繁殖として残した生産者の行動は、損得を超えて素晴らしいと思う。
ゴーディーの活躍はそんな生産者の執念に報いる、競馬の神様のプレゼントなのかもしれないね。
●地方の良さを示す意味でも今後の活躍に期待サラ系のハンデを感じさせず、見事重賞初制覇を果たしたゴーディー。まだまだ4歳を迎えたばかりの同馬は、これからが競走生活のピークに向っていくことだろう。
今回見せた競馬も、逃げた人気馬を2番手マークから差し切るという強い内容。決してフロックとはいえない競馬内容で勝っただけに、今後のこの路線の有力馬の1頭に名乗りを挙げたことは間違いないと思う。
母がアラブのイケノエメラルドということで、スピードの要求される軽い馬場になるとやや厳しいかもしれないが、砂の深い良馬場だったら逆に血の持つタフさが武器になる筈。
如何にも地方競馬らしい味のある血統を持つゴーディー。地方競馬の良さを表す意味でも、今後の同馬の更なる活躍を期待したい。

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