26日、船橋競馬場で行われた交流重賞『第59回 日本テレビ盃(Jpn2)』。
このレースは、道中3番手を追走したソリタリーキングが、直線粘るマグニフィカを捉えて先頭に立ち、最後は追い込んできたサイレントメロディを3/4馬身抑えて快勝。
前走の東海S(GⅡ)に続く重賞連勝を飾り、次走のJBCクラシック(Jpn1)に向けて幸先良いスタートを切りました。
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■目覚めつつあるダートの帝王の血
勝ったソリタリーキングは父キングカメハメハ、母スカーレットレディ、母の父サンデーサイレンスという血統の5歳牡馬。
ソリタリーキングは、ダートGⅠ(Jpn1)を9勝したヴァーミリアンの半弟として有名であり、同馬もデビュー戦で、直線先に抜け出したパルラメンターレを信じられない末脚で差し切るなど、その血に違わぬ高い資質をデビュー当初から示していました。
しかしその後は時折高い能力は示すものの、オープンや重賞などでは壁にぶち当たり伸び悩む日々が続いた同馬。兄のサカラートやキングスエンブレム、そしてヴァーミリアンも一時期スランプに陥った時期がありましたから、これも血統的なモノだったのかもしれません。
そして今年5歳を迎えたソリタリーキング。今季初戦の仁川Sは休み明け、2戦目の大阪杯は久々の芝のレースということで大敗しましたが、5月のブリリアントSでオープン初勝利を挙げると、続く重賞・東海Sも連勝し初重賞制覇。
そして今回の日本テレビ盃で重賞を2連勝と、その血の中に眠っていた高い素質が、いよいよ目覚めてきたようですね。
今回、道中3番手追走から直線で抜け出すという、王道の競馬で快勝したソリタリーキング。現在日本のダート界は絶対王者だったスマートファルコンが引退し、次代のエース候補だったゴルトブリッツが夭折するなど過渡期を迎えています。
先日行われたエルムSでは、新星ローマンレジェンドがエスポワールシチーを下して重賞初制覇を飾るなど、次代を担う若き優駿たちが頭角を現しつつ有りますが、ソリタリーキングもその輪に加わることが出来るのか。
いよいよ目覚めつつあるダートの申し子の、今後の歩みに注目していきたいですね。
■ベストパートナーと遂に巡り会うことが出来た今回ちょっとしたサプライズだったのが、船橋のマグニフィカの頑張りでしょう。
元々3歳時はジャパンダートダービーを制するなど、高い実力を示していた同馬。しかしジャパンダートダービー優勝後は極度のスランプに陥り、今年6月の京成盃グランドマイラーズで約2年ぶりとなる勝利を挙げるまでは、地方馬限定のレースでも馬券圏内に入れないほど低迷していました。
しかしその京成盃グランドマイラーズでは、今回も手綱を取った的場文男騎手がマグニフィカの気持ちを損なわずに、闘志を奮い立たすように乗ったところ、それまでの不甲斐無さが嘘だったかのような快走を見せて優勝。周囲を驚かせました。
そして今回は、JRAの強豪を相手に自分の競馬に徹して僅差の3着・・・。このメンバーを相手に、また驚かせてくれるとは思いませんでした。
しかしマグニフィカにとって、的場文男騎手はメチャクチャ相性の良い騎手なんでしょうね。
今回の走りを見ても分かるように、マグニフィカは気分良く走れれば交流重賞でも上位に入れる能力を持っています。しかし一旦気分を損ねてしまうと、前走のサンタアニタトロフィーのように、明らかな格下相手でも大敗してしまう・・・。
彼は相当な気分屋なのでしょう。前走で跨った吉原宏太騎手だって、地方競馬を代表する名手の一人。その彼の腕を持ってしても、マグニフィカを走る気にさせることが出来なかったのです。
この稀代の気分屋であるマグニフィカを走る気にさせるには、腕だけではなく感覚的な相性の良さがない難しい・・・。その感覚的な、抜群の相性の良さを持っていたのが、今回手綱を取った的場文男騎手だったんでしょうね。
腕だけではなく感覚的な相性の良さを持つ的場文男騎手と、ようやく出会うことが出来たマグニフィカ。長いスランプの末に遂にめぐり会えたベストパートナーと、今後どのような戦歴を重ねていくことになるのか?
復活を遂げた砂のダービー馬の今後にも、注目し続けて行きたいと思います。
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