スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
◆ブログ移転しました◆
新しいブログ『馬事総論ドットコム』を開設しました。今後はこちらのブログで更新を続けます。
新しいブログのURLはhttp://bajisouron.com/です。
恐れ入りますがお気に入りの変更をお願いします。

スポンサードリンク

follow us in feedly

[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

僅かに届かなかった世界の頂点・・・。オルフェーヴルの凱旋門賞挑戦を詳しく振り返る




オルフェーヴルが世界競馬の頂点へと挑んだ凱旋門賞から、一夜が明けました。

一晩経って眼を覚ましてみても、オルフェーヴルが頂点に僅かに届かなかったという事実は変わらないわけで・・・正直今でも悔しさが込み上げてきています。

日本中の、そして世界中の注目を一身に浴びながら凱旋門賞へと挑んだオルフェーヴルとアヴェンティーノ。その彼らが挑んだ偉大なる凱旋門賞というレースを、改めて振り返って見たいと思います。

スポンサードリンク


■アヴェンティーノは何故逃げなかった?


では、レースを振り返りましょう。

スタートはポンと出たオルフェーヴルとアヴェンティーノ。ペースメイカーとしてこのレースに出走していたアヴェンティーノの動向が注目されましたが、スタート直後に2~3回手綱を扱いたものの、先頭に立つ選択は選びませんでした。

これには『何故?』と思った人もいるでしょう。推測ですが、今回このレースにはキャメロットを擁するクールモア陣営が、アーネストヘミングウェイとロビンフッドという、2頭のペースメイカーを出走させて来ていました。

クールモア陣営の主役であるキャメロットとセントニコラスアビーは、道中はいつも後方から競馬をする馬。今までもこの2頭のペースメイカーが出てきたレースは必然的にハイペースになっており、わざわざアヴェンティーノを先行させなくてもオルフェーヴル向きのハイペースになると、オルフェーヴル陣営は読んだのではないでしょうか。

実際レースはこの2頭のペースメイカーが引っ張り、フォワ賞時とは比べ物にならない程、緩みのない流れとなりました。今年の凱旋門賞はレース史上でも余り記録にないほどに馬場が悪化したせいで、時計的にペースを実感するのは難しいかもしれませんが、同日に同条件で行われたハンデキャップ戦では、芝2400mで2分47秒0も掛かっています。

そう考えると、2分37秒68という10秒近く速い時計で決着した凱旋門賞が、メンバーレベルの差はあるにせよかなり厳しい展開の中で行われたことは、ご理解頂けるのでは。

アヴェンティーノが行かなかったことにより『欧州競馬特有のスローペースに嵌り負けた』という論調を幾つか目にしましたが、流石にそれは表面的な事しか見えていない、やや浅はかな論調。

アヴェンティーノは行けなかったのではなく行かなかった。これが正解でしょう。


■アヴェンティーノの役目とは?

では今回、アヴェンティーノにはどのような役目が課せられていたのでしょうか。それはレース前もレース中も、ひたすらオルフェーヴルの傍に寄り添い、落ち着かせるという役目です。

オルフェーヴルの最大の武器といえば、言うまでも無く旺盛な闘争心でしょう。これは正しい方向に向けばレースで絶大なる力を発揮しますが、一度コントロールを誤れば裏目に出てしまうのは、春先の阪神大賞典や天皇賞のレース振りを見ても明らか。

今回の凱旋門賞挑戦でオルフェーヴルが素晴らしい結果を出す最大の鍵が、この旺盛な闘争心の正しいコントロールでした。陣営は当然の事ながらこの対応に腐心し、普段の調教から馬の後ろで如何に消耗すること無く、上手く我慢しながら力を溜められるように繰り返し教え込んでいましたが、その時一番の力となったのがアヴェンティーノの存在でしょう。

普段の調教から、アヴェンティーノの後ろで我慢する事を叩き込まれたオルフェーヴル。賢いオルフェーヴルは『アヴェンティーノが前に居る限りは、まだゴーサインが出される時ではない』と学習したでしょう。そしてアヴェンティーノの前に出た時こそが、勝負を賭けるときなのだと。

今回の凱旋門賞。スタートした直後からアヴェンティーノ鞍上のクラストゥス騎手は、しきりに何度も振り返り、オルフェーヴルの位置を確認していました。

そして徐々にポジションを外に移すと、レース半ばからは大外を追走する形に。多くの人は『この進路取りは何だ?』と思ったことでしょう。これは僕の推測ですが、恐らくオルフェーヴルの視界にアヴェンティーノが入るように、あえて大外に持って行ったのではないでしょうか。

今回の凱旋門賞では、前走のフォワ賞の時とは打って変わって折り合いが付いていたオルフェーヴルですが、一度フォルスストレートを廻る時に外に膨れてしまい、折り合いを欠きそうになる場面がありました。

その時すかさず外からオルフェーヴルに寄って行ったのがアヴェンティーノ。彼の姿を視認したオルフェーヴルは即座に落ち着きを取り戻し、ロスは最小限に抑えられました。この場面こそが、今回の遠征でアヴェンティーノの存在が無くてはならないモノだった事の証明であり、尚且つ彼がいたからこそ今回のオルフェーヴルの快走に繋がったと思います。


■不利な条件の中、全力を振り絞ったが・・・夢は叶わず

そうしたアヴェンティーノの献身的なサポートもあり、抜群の手応えのまま最後の直線を迎えたオルフェーヴル。彼以外の出走馬が皆懸命の追い出しを開始する中、馬なりのまま大外を一気に伸びて行ったオルフェーヴルの姿には、正直震えが来ました。

ゴールまで残り300m。先頭に並びかけると同時に渾身のアクションを繰り出し、オルフェーヴルにゴーサインを送るスミヨン騎手。そのゴーサインに応え、更に重心を低くしながらトップスピードへと加速し一気に突き抜けたオルフェーヴル。

この瞬間、日本中のみならず世界中の競馬ファンが、オルフェーヴルの勝利を確信したでしょう。私もあの姿に勝利どころか圧勝すら予感しました。

しかし次の瞬間、悪夢のような場面が我々の眼に飛び込んできました。オルフェーヴルは大きく内に刺さり、内ラチ沿いまで一気に行ってしまったのです。その後の着差を考えれば、これは致命的なロス。真っ直ぐ走っていれば、恐らく悲願達成は間違いなかったでしょう。

では何故、オルフェーヴルは内へ行ってしまったのか?これに付いてはスミヨン騎手の誤判断や、オルフェーヴルの気の悪さが出たという意見があるようですが、恐らくそれは正しくないでしょう。

私は『オルフェーヴルが苦しくなったから内ラチを頼った』と見るのが正しいと思っています。

全ての競走馬がそうであるとは言いませんが、基本的に競走馬はラチを頼って走りたがる面が有ります。たまに見る放馬などでも、馬場の中央を走っている馬は余りおらずラチ沿いを走っている馬が殆どなのは、そういった習性によるものからです。

元々デビュー戦でも大外から内ラチへと寄っていくところを見せたオルフェーヴルですから、ラチを頼る面はそれなりに有ったでしょう。そしてこういった面は、スタミナ切れなどで苦しい場面に追い込まれれば追い込まれるほど、より顕著に現れるのです。

先程、今年の凱旋門賞は史上有数の不良馬場で行われたと書きましたが、今年のロンシャンの馬場は史上最悪の道悪馬場だったと言われる1999年の凱旋門賞(エルコンドルパサーが2着したレース)に匹敵する程の、過去の歴史でも殆ど例が無いような極悪不良馬場で行われました。

そんな不良馬場にも脚を取られること無く、上手に走っていたオルフェーヴルですが、当然のことながら彼はこれほどの不良馬場を経験したことがありません。このような馬場を最後まで走り切るのに、オルフェーヴルはどのような脚の使い方をすれば良いか?オルフェーヴル自身は当然のことながら、コンビを組んだ経験が浅いスミヨン騎手にも分からなかった筈です。

いつものように残り400mからスパートを開始したオルフェーヴル。公式のラップでは残り400mから200mの区間で、オルフェーヴルは11秒6という馬場を考えれば信じられないような、まさに怪物と呼べるような脚を使っています。

しかしそこで力を使ってしまった彼は、最後の1ハロンを推定13秒台半ばから後半へと大失速・・・。ここまで快調に走っていたオルフェーヴルですが、残り200mを切った辺りで自身も認識していなかった限界が、一気に身体に訪れたのでしょう。苦しくなったオルフェーヴルは、ラチを頼って内へと飛び込んでしまいます。

これで息を吹き返したのが、地元の4歳牝馬ソレミアでした。血統的にも道悪が大得意な彼女は、馬場が悪化する事を見越した陣営が、当初出走させる予定だった馬を引っ込めてまで送り出してきた道悪巧者。オルフェーヴルという格好の目標が出来た彼女は、そこから一完歩ごとにオルフェーヴルに迫っていきます。

ゴールまで残り100m。オルフェーヴルは何度も手前を代えながら、必死になってゴールを目指します。競走馬が何度も手前を代えるということは、スタミナ切れで苦しいということと同義。スミヨン騎手の渾身の檄に応えようと、オルフェーヴルも必死だったのでしょう。

しかしそんなオルフェーヴルを目標に、後方からジリジリと迫ってきたのがソレミア。彼女は1馬身、3/4馬身、1/2馬身、クビと一完歩ごとにオルフェーヴルを追い詰め、無常にもゴール寸前交わしてしまいました。

その光景に心がプッツリと切れたのがオルフェーヴル。交わされた瞬間に気持ちが切れてしまった彼は、力尽きたかのようにバランスを崩し内ラチに激突・・・。無念の2着でゴール板を駆け抜けることになったのです。


■悔しい・・・でも、もう直ぐそこまで

レース後、言い様の無い悔しさが私の全身に込み上げてきました。

今まで日本馬は2度、凱旋門賞で2着に入っています。それぞれに悔しかったのは確かですが、その時はそれと同時に『良くやった!日本馬がここまでやれて満足』という気持ちが、同じように感じられていたのです。

ですが、今回のオルフェーヴルの敗戦はとにかく『悔しい!』という気持ちしか湧かず・・・。それだけ『オルフェーヴルなら!』という期待が大きかった裏返しなのでしょうが、それと同時に本気で凱旋門賞制覇を望める位置まで日本競馬がやってきた。そういう事なのかもしれません。

レース後『オルフェーヴルで勝てない様なら、今後暫く日本馬の凱旋門賞制覇は難しい』とする論調を幾つか見ました。これには声を大にして反論したいと思います。

このような論調を展開される方は、オルフェーヴルが『ただ普通に負けた』とご自身の眼に映ったのでしょうか?それは有り得ない。オルフェーヴルは様々な不利な条件を覆しつつ規格外のレースを展開し、そして負けてしまったのです。

欧州最高峰の舞台であれだけ規格外の競馬を展開し負けてしまった馬というのは、1999年の凱旋門賞2着馬、エルコンドルパサーぐらいしか私の記憶には有りません。

1999年の凱旋門賞でエルコンドルパサーはモンジューと死闘を繰り広げ、結果として2着に敗れてしまったわけですが、レース後現地のマスコミから『凱旋門賞には2頭の王者がいた』と称えられるほどの評価を受けました。このレースは凱旋門賞史上でも屈指の名勝負として、競馬ファンの間で今でも称えられています。

今回オルフェーヴルが見せたパフォーマンスは、間違いなくあの時のエルコンドルパサーに匹敵するものだったでしょう。加えて言えば、エルコンドルパサーは長期的な遠征計画を組み、時間を掛けて欧州仕様にモデルチェンジした末にこのパフォーマンスを発揮しましたが、オルフェーヴルは僅か1ヶ月余りの少ない時間でこれだけ異質な競馬に対応してみせた。

これは本当に凄いことですし、正直時間が足りなかったのは確かだと思います。それこそエルコンドルパサー並みに時間を掛けて凱旋門賞に挑んでいたら、今回以上のとんでもないパフォーマンスを見せた可能性がある訳で・・・。まさにオルフェーヴルは世界競馬史上でも例が少ない、規格外の名馬の1頭。

今回日本競馬が生んだ稀代の名馬オルフェーヴルが敗れたことで、『日本馬が凱旋門賞に勝つチャンスは暫く無い』と悲観する気持ちは分かります。

しかしそれは、今回のオルフェーヴルと同じように短い準備期間で凱旋門賞に臨み、見事ワークフォースの2着したナカヤマフェスタの功績を無にする行為です。

ナカヤマフェスタと関係者には失礼な話かもしれませんが、正直ナカヤマフェスタはそれほど傑出した存在ではありませんでした。ありふれたGⅠホースの1頭だったと思います。そんなナカヤマフェスタ・クラスの馬でも、欧州競馬の適性と適切な準備があれば勝ち負けに持ち込むことが出来る。

この事実の前には、『日本馬には暫くチャンスが無い』という説は妄言であると言うしかないでしょう。簡単に勝てるとは言いません。しかし挑戦を続ければ間違いなく手の届くところまで来ている。

今回のオルフェーヴルの規格外の負けっぷりは、その事実を改めて強く認識させてくれました。


■本当にお疲れ様でした

日本競馬にとって一大決戦とも言うべき、オルフェーヴルの凱旋門賞挑戦が終わりました。

今こうやって記事を書いていても、次から次へと悔しさやら誇らしい気持ちやら、虚脱感やらが湧いてきています。それだけ今回のオルフェーヴルの凱旋門賞挑戦が与えた影響というのは、私にとって大きかったということなのでしょう。

日本競馬の悲願、凱旋門賞制覇という夢は一先ず来年以降に持ち越しとなりました。ある意味これは『夢はまだ続いている』と言う事なんでしょう。そう、夢はまだ見続けられるのです。

今回死力を尽くし切ったオルフェーヴルとアヴェンティーノは、火曜日に日本に向けて帰国の途に着くとのこと。今後はジャパンCという話も出ているようですが、今回の遠征で受けたダメージは相当なものでしょう。オルフェーヴルの雄姿を日本で見てみたい気持ちは確かに有りますが、無理もしないで欲しい。

帰国後のオルフェーヴルの状態をしっかりと見極めた上で、休ませたほうが良いならしっかりと休ませて欲しいですね。彼はそれが許されるだけのモノを、今回の挑戦で示したと思いますから。

そして・・・アヴェンティーノ。

オルフェーヴルの帯同馬、本当にお疲れ様でした。アヴェンティーノの存在が無かったら、オルフェーヴルはあそこまでのパフォーマンスを示すどころか、順調にレースに出走出来ていたかすら分かりません。まさにパーフェクトと言えるサポート振りでした。

今回の凱旋門賞挑戦で最大の功労者(馬?)は、間違いなくサポート役に徹したアヴェンティーノであることは異論が無いでしょう。その功績がしっかりと評価され、今後アヴェンティーノが終生大事にされていく事を、一競馬ファンとして心から願いたいと思います。

オルフェーヴルとアヴェンティーノ、そして池江泰寿調教師と厩舎スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。そして貴重な馬房を提供してくれたばかりか、様々なサポートを率先して行ってくれた小林智調教師と厩舎スタッフの皆さん、本当に有難うございました。

池江厩舎の皆さんと2頭の馬たちの何事も無いスムーズな帰国を心から願うと共に、今回の遠征に関係した全ての方々の今後より一層のご活躍を心から期待しています。

►馬事総論のFacebookページを開設しました


 にほんブログ村 競馬ブログ 競馬関係者・応援へ
競馬ブログランキングに参加しています
◆ブログ移転しました◆
新しいブログ『馬事総論ドットコム』を開設しました。今後はこちらのブログで更新を続けます。
新しいブログのURLはhttp://bajisouron.com/です。
恐れ入りますがお気に入りの変更をお願いします。

スポンサードリンク

follow us in feedly

[ 2012/10/08 17:00 ] 海外競馬 | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。