名コンビ復活!!ショウナンマイティの勝因は悔しさ? ~第56回大阪杯(GⅡ)レース回顧~


2012大阪杯

この日。
ショウナンマイティの背中の上には、久々に浜中の姿があった。

同馬のデビュー以来、浜中は同馬の手綱をずっと取り続けてきた。
『この馬には期待してるんです。きっとクラシックに乗れる器の筈・・・』
ショウナンマイティについて聞かれる度に、その期待の大きさを口にしていた浜中。
しかし春は不完全燃焼な競馬が続き、あと一歩のところでクラシックへの切符を逃してしまう。

春の悔しさを晴らす為に、昨秋神戸新聞杯に登場してきたショウナンマイティ。
しかし、その背中の上に浜中の姿は無かった。

彼の代わりに、同馬の背中の上に居たのは名手・武豊。
浜中は、日本ダービーでコンビを組んだクレスコグランドと共に菊花賞に挑むことが決まっており、大先輩に同馬の手綱を譲っていた。

それ以来、ショウナンマイティの手綱を取ることは無かった浜中。
結局クレスコグランドも菊花賞に挑む前に故障してしまい、何ともツイていない状況に。

溺愛した元パートナーの走りを、ずっと外から眺める日々。
クールに見えて結構感情を面に出す男である。
気の晴れない日々を送っていたことは、想像に難くない・・・。

しかし、とうとう同馬の手綱を取れる日が、悔しさを晴らす機会が、浜中にやってきた。

久々にショウナンマイティに跨る浜中。
『絶対に結果を出す・・・』
彼は強い決意と共に、開くゲートから飛び出していった。
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■レース展開■

全馬揃ったまずまずのスタート。
明確な逃げ馬が存在せず、各馬出方を窺う構えの中、やや消極的にコスモファントムが先手を取ろうとする。
すると『・・・それならば!』とばかりに、トーセンジョーダン騎乗の岩田が、内から手綱を扱いて先頭へ。
一瞬は行く気を見せたコスモファントムを交わし、先頭で1コーナーに飛び込んでいくトーセンジョーダン。
伝統のGⅡ大阪杯はファンのどよめきの中、大方の予想を覆す形でのスタートとなった。

レース序盤、先頭を行くのは天皇賞馬トーセンジョーダン。ゆったりと自分のペースで馬群を引っ張っていく。
2番手に控えるのはコスモファントム。やや離れた3番手には、短期免許で来日中のK・デザーモが手綱を取るフライングアップルが続き、その後ろには重賞連勝中、1番人気に推されたフェデラリストが進出。5番手のインコースにはナカヤマナイト。その外には宝塚記念馬アーネストリー。中団にはやや係り気味でJC馬ローズキングダムが続き、後方には末脚に賭けるショウナンマイティがジッと脚を溜める構え。そして最後方からはメイショウカンパクという展開となった。

前半1000m通過が65秒2。普段より2~3秒時計の掛かる馬場とは言え、超の付くスローペース。逃げたのが実力馬トーセンジョーダンということで、迂闊に手が出し辛かったという事もあるが、次走以降に大レースを視野に入れている馬が多く、ここで迂闊に仕掛けて掛かり癖を付けたくなかったのだろう。勝負どころまで仕掛ける馬が存在せず、ますます流れが落ち着いてしまった。

レースは残り半マイルから徐々に動き出す。
勝負どころに向けて、少しずつペースを上げ始めるトーセンジョーダン。
それに呼応し、各々にピッチを上げ始める後続各馬。
実力に劣る人気薄の馬たちは、ペースアップに付いて来られずに鞍上の手綱が動き始めるが、有力各馬は仕上がりがイマイチだったアーネストリーを除き、馬なりで差を詰めていく。

4コーナー。
11秒台のラップを刻み、最後の直線に向かって疾走するトーセンジョーダン。
付かず離れずの位置にコスモファントムが続き、その直ぐ後ろには早くもフェデラリストが進出。
馬群は一気に凝縮。一団となって最後の直線コースへ突入した。

残り300m。
ここで先頭に立ったのはコスモファントム。内でトーセンジョーダンも食い下がるが、半馬身ほど前に出る。
しかし直ぐ後ろから襲い掛かってきたのが、いま勢いに乗っているフェデラリスト。
並ぶ間も無くコスモファントムを交わすと、残り200mの地点で早くも先頭へ。
内から再度トーセンジョーダンが盛り返し、外からはローズキングダムも伸びてくるが、先頭を行くフェデラリストを捕らえられる勢いは無い。

『これはフェデラリストの完勝か』
そう、誰もが思いかけた・・・その時、大外から凄まじい勢いで迫ってくる一迅の影。
それは後方でジッと脚を溜めていたショウナンマイティ。その溜めに溜めた力を解き放ち、素晴らしい末脚で他馬を飲み込んでいく。

まさに矢のような勢いで大外を駆け抜け、先頭に躍り出たショウナンマイティ。
ここまで惜敗続きで、常に悔しい思いをし続けてきた同馬。
その悔しさを爆発させたかのような末脚を繰り出した彼は、久々に手綱を取った相棒の歓喜のガッツポーズと共に、先頭でゴール板を駆け抜けていった。


■各馬短評■

1着 ショウナンマイティ(浜中俊騎乗、梅田智之厩舎)
『他馬が止まって見える』とはこの事だ!と言わんばかりの末脚。見事な直線一気だった。マンハッタンカフェ産駒は見栄えのする馬が多いが、同馬も2歳時から惚れ惚れとする馬体をしていた。その馬体の要所要所に筋肉が付き、重厚感も備わってきた今回のパドック。いよいよ競走馬として完成に近づいてきたと言えるのではなかろうか。直線一気という戦法も確立し、タイトルも手に入れた同馬。いよいよ次はトップレベルでの戦いに軸を移す時だろう。目下の目標は安田記念か、若しくは宝塚記念。どちらもこの脚を持ってすれば、有力候補の一頭に挙げられる。四冠馬を擁す4歳世代から、また一頭楽しみな馬が頭角を現してきた。

2着 フェデラリスト(横山典弘騎乗、田中剛厩舎)
好位から早めに先頭に立ち、そのまま押し切ろうとする王道の競馬。最後はショウナンマイティに差し切られてしまったものの、馬場の悪い内を通った分もあり、内容的には勝ちに等しい敗戦だった。逆に本調子でないとは言え3頭のGⅠホースに先着したのだから、その実力はGⅠ級と認めなければならないだろう。名牝ダンスパートナーも、とうとうGⅠを狙える大物をこの世に送り出した。フェデラリストの今後に更に注目したい。

3着 トーセンジョーダン(岩田康誠騎乗、池江泰寿厩舎)
馬体重こそ前走と変わらない所まで持ってきたが、やはりパドックではモッサリとした感じで周回していた。いまいち気持ちが乗っていないことは鞍上も直ぐに分かったのだろう。気合を付けてシャンとさせる意味で、あえて逃げの手に出たのではないかと思う。道中はもう少し速いペースで逃げても良かったと思うが、前哨戦ということもあり無理はしなかったのだろう。結果的には不向きの上がり勝負の競馬になってしまったが、一旦は前に出られたコスモファントムを、再度内から交わすファイトを見せてくれた同馬。本番への叩き台としては、良い競馬となったのではなかろうか。

4着 ローズキングダム(後藤浩輝騎乗、橋口弘次郎厩舎)
馬体診断でも言及したが、非常に素晴らしい出来だった。その分気持ちが乗っていたのだろう。スローペースということもあり、道中はかなり引っ掛かっていた。首が横に曲がるような、完全にブレーキを踏んだ状態で勝負どころまで抑えていた為、却って体力を消耗してしまった印象。直線で思ったよりも弾けなかったのは、馬場の問題よりもこの辺の呼吸の合わなさが大きな原因だろう。もっと前でも競馬出来る馬だけに、後藤騎手にはもう少し前で競馬し、折り合いを付けて欲しかった。

6着 アーネストリー(佐藤哲三騎乗、佐々木晶三厩舎)
いつもパドックでは良く見せる馬なのだが、今回は全く目立たなかった。それだけ状態がパッとしなかったという事であろう。競馬に行っても勝負どころで真っ先に手が動いてしまう状態。6着に踏ん張ったのは地力で、現状まともに勝負できる状態ではなかったのではないかと思う。今後の目標はグランプリ連覇だろうが、昨秋の天皇賞辺りからやや衰えが見え始めた同馬。本番までどれだけ復調させられるか。陣営の手腕に注目だ。


■総括・感想■

阪神競馬場の桜も、少しずつ花を付け出したようだ。
今頃、同場の馬場造園課の方々が、桜花賞当日に満開となるよう、あの手この手を駆使していることだろう(笑)
毎年のことでは有るが、本当に頭が下がるお仕事。是非ともその努力が実るように祈っている(苦笑)

この春の競馬が始まってから、ずっと雨に悩まされてきた阪神競馬。
土曜日もかなり酷い雨が降ったのだが、日曜は気温も上がり、ときおり日も差す天気に。
その為馬場の回復も早く、メインレース時にはやや重とはいえ、かなり走り易いコンディションまで回復した。

その恩恵を最大限生かしたのが、大阪杯を制したショウナンマイティであろう。
パワフルな馬体の持ち主であり、多少重い馬場も苦にはしない同馬であるが、やはり最大の武器で有る瞬発力を生かすには、良馬場で有ることが一番。直線では大外に進路を取ったが、ここは馬場も比較的荒れておらず、また乾きも良かった。そこを一気に駆け抜けての快勝。馬の力も確かだが、そこを選んだ鞍上の判断も褒められて良いと思う。

さて、今週末はいよいよ桜花賞を迎える。
今のところ週間予報では、週末は土日とも晴れの予報。
久々に雨の心配をしなくてすむ週末を迎えられそうだ。

桜が舞うなか行われる桜花賞は、クラシックの中でも一番華やかなレース。
抜けるような青空の下、満開の桜の中を乙女たちがが生き生きと駆け抜けて行く・・・。
そんな素晴らしいレースを、是非とも見たいものだと思う。


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[ 2012/04/02 22:56 ] レース回顧 | TB(0) | CM(0)
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