南関東でフリー騎手制度を導入


【デイリー】南関東競馬4場で騎手フリー化へ
http://www.daily.co.jp/horse/2012/03/31/0004929675.shtml
 関東地方公営競馬協議会は30日、南関東4競馬場(大井、川崎、船橋、浦和)所属騎手の「騎手会所属騎手制度」(いわゆるフリー騎手制度)を4月1 日から導入すると発表した。これまでは南関各場のいずれかの厩舎に所属することが義務化されていたが、フリーとなった場合は所属する都県の騎手会所属騎手 として活動することになる。

 フリーとなるための要件としては(1)南関東4競馬場のいずれかの騎手会の会員であること(2)満25歳以上(3)南関東所属騎手として継続して3年以上の騎乗経験を有すること(4)通算50勝以上挙げていることで、これら4項目を満たすのが条件。

 現在でもリーディング上位騎手は厩舎に所属しながら、所属している以外の厩舎からも多くの騎乗依頼を受けていたように、実質上フリーに近い立場にあった。だが、フリー制度を明文化することで所属厩舎優先によるしがらみなどから完全に開放され自由が利くことになる。

  関係者によると、既に数人の騎手がフリー化を申し出ているという。ある騎手は「騎手にとってのデメリットは少ないでしょう。特に上位の騎手にとってはフ リー化したほうが動きやすくなるでしょうね」と話している。一方、調教師サイドからは「フリーの騎手のほうがレースだけではなく、朝の調教の騎乗依頼など もやりやすくなるね」との声も聞かれた。

 また、他地区地方所属騎手が交流競走で騎乗する場合のその日の騎乗回数制限を、現行の4回から、8回まで(連続6回以下)に改めることも併せて発表された。


なかなか興味深い制度が、この度南関東4場で導入された。
それが『騎手会所属騎手制度』。所謂JRAで言うところのフリー騎手制度である。

いままで地方競馬では、騎手は原則厩舎に所属しなければならないとされてきた。
JRAに移籍した安藤勝己騎手も、岩田康誠騎手も、内田博幸騎手も、それぞれが各地のリーディング騎手ではあったが、基本厩舎に所属し自厩舎の仕事をしっかりとこなしつつ、レースで乗る馬を集めてきた。

厩舎に所属することのメリットは当然ある。
だが地区を代表するトップジョッキーともなると、やはりデメリットの方が大きくなってしまうのだ。

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デメリットの最たるものは、やはり所属厩舎のしがらみ。
もっと端的に言えば、師匠たる調教師の意向によって、乗り馬が制限されてしまうことだろう。

『厩舎に所属している以上、自厩舎の馬には最優先で騎乗する』
昔に比べれば少なくなったとは言え、未だにこういう考えをもっている調教師は多い。

また自厩舎に馬を預けている馬主の手前、強引にでも他馬から降ろし、その馬主の馬に乗せることもしばしば・・・。リーディング上位騎手とは言え、思うように乗り馬を選べない状況は予想以上に多い。

また調教師が、他厩舎所属の騎手に騎乗を依頼する場合、まず所属している調教師に許可を得るのが通例。しかし師匠たる調教師と、弟子である騎手の仲がギクシャクしていた場合、師匠が弟子への騎乗依頼を全て断り、弟子を干してしまうこともあるのだ。

リーディング騎手ともなれば仕事が多くなり、気を付けていても自厩舎での仕事が疎かになりがち・・・。こういったことの積み重ねで上手く行かなくなり、関係が破綻してしまった師弟関係は過去に多く存在した。

しかしフリー制度導入となれば、こういったイザコザは間違いなく減るだろう。
騎手は師匠に気兼ねなく、他厩舎の馬に騎乗することが出来るし、調教師も所属という枠組みがとれた事で、弟子に対する責任からも解放され、一人立ちした弟子を客観的な視線で見守ることが出来るようになる。

親子関係でもそうだが、成人した我が子を一人立ちさせず、何事にも親が干渉し続けたりすると、子ばかりか親も駄目になってしまう事がほとんど。『可愛い子には旅をさせろ』とは昔からよく言う言葉だが、今回のフリー制度も有る意味この言葉と同義ではなかろうか。

親(調教師)も子(騎手)も成長する為のフリー制度。
今回の制度はそういう一面も持っていると私は考える。

勿論、この制度を導入することによるデメリットが存在しない訳ではない。
一番憂慮されるのは、師弟関係が希薄になり、色々な意味で未熟な騎手が増えるのではないか?ということだろう。

古くからフリー制度を導入しているJRAでは、人間的にも技術的にも未熟な若手騎手が、周りの甘言に乗せられた末にフリー宣言して独立。一番努力を重ねなければならない時期に努力することを忘れ、お金や遊びに夢中になり、結果落ちぶれていった事例が数多く存在する。

若くして競馬の世界に飛び込んだ若手騎手は、往々にして世間知らずの若者に育つことがほとんどだ。
騎手に限らず、どうしても若いうちはお金や遊びに心を奪われがちだが、そういった時に一喝し道を正す役目を果たすのが師匠たる調教師である。しかし弟子が若くしてフリーになってしまっていた場合、どうしても関係が希薄な為、そういった声が届かないことが多い。

いまJRAで若手騎手が中々育たないのは、フリーとなる若手騎手が多発していることも、大きな要因の一つであろう。

幸いにして、今回の南関東4場のフリー制度には、ちゃんと条件が付けられている。
年齢や実績をしっかりと満たしていないと、フリー騎手に転向出来ないというのは良いことだと思う。JRAの制度の欠陥を、ベストではないにしろ埋めているのではないか。個人的にはフリーになる条件はもっと厳しくしても良いかとは思うが、とりあえずは制度を開始し、あとは問題が有れば弾力的に改正を重ねていけば良いと思う。

早速4月1日から始まったフリー騎手制度。
現時点ではまだフリーとなった騎手は存在しないが、そう遠くない将来、南関東にも何人かのフリー騎手が誕生するだろう。首都圏に根を張る南関東4場は、全国の地方競馬を引っ張る存在。その南関東4場に元気がないと、全国の地方競馬全てが落ち込んでしまう。

今回の制度は、間違いなく『人』の面で活性化を促す施策だ。
やや停滞気味の南関東4場に熱を呼び戻すためにも、フリー騎手制度の成功を期待したい。


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[ 2012/04/04 21:36 ] 競馬雑談 | TB(0) | CM(0)
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