6日に大井競馬場、外回り1400mで行われた重賞『第4回 東京スプリング盃(SⅢ)』。
地方ではレベルの高い南関東所属馬の中で、短い距離を得意とする馬たちが集まったこの一戦を制したのは、今年11歳を迎えてもまだまだ元気なJpn1馬フジノウェーブでした。
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■さながら『フジノウェーブ記念』と化した東京スプリング盃
フジノウェーブは父ブラックタイアフェアー、母インキュラブルロマンティック、母の父ストップザミュージックという血統(詳しくは
こちら)の11歳馬。
2004年の秋に笠松競馬場でデビューしたフジノウェーブ。デビュー当初はそれほど活躍が目立つ存在ではなかったものの、翌年大井競馬の高橋三郎厩舎に移籍すると、秘めたる素質が徐々に開花。
遂には2006年5月のコルヒドレ賞から、2007年4月の重賞マイルグランプリまでは破竹の10連勝を達成。一気にスターダムへとのし上りました。
2007年の秋には、地方所属馬として初めてJBCスプリント(Jpn1)を制覇。2008年には東京盃(Jpn2)を制すなど、地方のトップとしてJRA勢と互角の戦いを披露。
その後も毎年のように重賞勝ちを積み重ね、今回の東京スプリング盃優勝で重賞は9勝目。そして南関東では史上初となる、同一重賞4連覇を達成。
この東京スプリング盃は、まだ創設されてから4回目という歴史の浅い重賞なのですが、創設以来フジノウェーブしか勝っていないということで、さながら『フジノウェーブ記念』と化していますね(笑)冗談抜きでフジノウェーブが引退したら、フジノウェーブ記念と改名しても良いかも知れません。
■偉業を達成し、地方競馬の歴史に名を刻む 上でも述べましたが、フジノウェーブが東京スプリング盃を制したことにより、南関東では史上初となる同一重賞4連覇の偉業が達成されました。
レベルが高く、世代交代の波が頻繁に訪れる南関東において、この記録は想像以上に偉大な記録だと思います。
同一重賞を4連覇したという記録は、地方競馬全体を見渡してもそれほど多くないでしょう。ザッと調べたところによると、過去に同一重賞を4連覇以上した馬は道営のシバフィルドー(クイーンカップ6連覇)、同じく道営のオースミダイナー(瑞穂賞4連覇)、栃木のブライアンズロマン(とちぎ大賞典4連覇)、愛知のキングスゾーン(マイル争覇4連覇)の4頭だけ。
みな地方の競馬史に名を残す名馬ばかり。フジノウェーブも今回の偉業達成により、名実共に地方競馬の歴史に名を刻む名馬として、その地位を確固たるモノにしたのではないでしょうか。
■6連覇に並ぶことが出来るか!? 11歳という年齢にも関わらず、これだけの偉業を成し遂げたフジノウェーブ。その頑張りには頭が下がりますし、その姿を見るとこれからももっと頑張って欲しいと思ってしまいますね。
近年、高齢馬にも関わらずJRA勢と互角に渡り合い、素晴らしい成績を残した馬と言えば道営のオースミダイナーが思い浮かびます。
同馬は9歳から12歳に掛けて瑞穂賞4連覇を成し遂げたばかりか、4連覇を成し遂げたその年には12歳という高齢で北海道スプリントカップ(Jpn3)を制するなど、ある意味化け物じみた活躍を見せた名馬でした。
翌年の13歳時にはエトワール賞も制し、日本における重賞勝利最高齢記録を作ったオースミダイナー。そのオースミダイナーの記録を破る可能性を唯一持っているのが、フジノウェーブだと思います。
フジノウェーブ自身、昨年の東京スプリント(Jpn3)で2着に入るなど、まだまだその力は衰える兆しを見せておりません。このまま行けばオースミダイナーの記録を破り、また更新不可能と思われたシバフィルドーの記録に並ぶ可能性も充分。
年齢を重ね、すっかり真っ白な馬体となってしまったフジノウェーブですが、馬体と裏腹にその走りは全く年を感じさせておりません。まだまだ南関東のトップホースとして、JRA勢を返り討ちにする気概に溢れているフジノウェーブ。
今後も元気に、そして末永く私達競馬ファンを楽しませる存在であり続けて欲しいと思います。
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