Photo by 日刊スポーツ
24日に中京競馬場で行われた春のスプリント王決定戦『第43回高松宮記念(GⅠ)』。
このレースの焦点はただ一つ。単勝1.3倍という圧倒的1番人気に支持されたロードカナロアが、その圧倒的人気に相応しい競馬内容で、堂々たる勝ちっぷりを見せることが出来るのか!?
ともすれば重圧にしかなり得ないほどの期待を一身に背負いながら、それを重圧とも感じずに自身の走りで競馬ファンに満額回答を示して見せたロードカナロア。
その圧倒的な強さと堂々たる姿は、まさに『世界の龍王』と呼ぶに相応しい素晴らしいものだったのではないでしょうか。
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■若干お釣りを残した仕上げ パドックに姿を現したロードカナロアですが、大きく頭を振る仕草は気になったものの、しっかりと馬体も作り込まれており、充分に力を発揮出来そうな良い状態だったと思います。
ただやはり極限まで仕上げられたという感じの、いわゆる『お釣りを残さない仕上げ』といった感じではありませんでしたね。ちゃんと能力を発揮できる状態には仕上げつつも、しっかりとお釣り(余力)は残こすといった仕上げでした。
ここで極限まで仕上げると、その分反動が出易いですからね。おそらく今後(秋以降)のこともしっかりと見据えた上での、今回の調整だったのだと思います。
■地力の違いを見せ付けた スタートで若干後手を踏んだロードカナロアでしたが、さすがに二の脚は速くレースでは中団からの競馬に。
道中は終始周りを他馬に囲まれており、直線でスムーズに追い出すことが出来るのか若干心配になるほどでしたが、いざ直線に向くと前にいたサクラゴスペルが内にモタれ、前がポッカリと開くという幸運が・・・。
この好機に鞍上の岩田騎手はロードカナロアにすかさずゴーサイン。そしてその指示に瞬時に反応し、末脚を爆発させる同馬。
今回ハクサンムーンが作ったペースは、当初予想していたよりも緩い流れとなり、中団から競馬することになったロードカナロアにとって決して歓迎できる流れではなかったと思います。
しかし『そんなことは関係ない!』とばかりに、地力の違いで突き抜けてみせたロードカナロア。まさに他馬とは器が違ったと形容するしかない、圧倒的な末脚でした。
■岩田騎手の好リードも見逃せず
また岩田騎手の隠れた好騎乗も素晴らしいものでした。
今回直線でロードカナロアが通ったラインは、この日の芝のレースで一番馬が伸びていたラインでした。この日の中京では合計5つ芝のレースが組まれていたのですが、全ての勝ち馬が直線ではこのライン通り末脚を伸ばしていた程。
いわばこのラインに騎乗馬を導くことが、この日の中京の芝のレースでは勝ちに直結すると言える状態だった訳で、しっかりとこのラインにロードカナロアを導いた岩田騎手は流石だったと思います。
■日本馬初のシリーズチャンピオンを目指して欲しかったが この勝利によりスプリントGⅠは3勝目となったロードカナロア。今まで日本でスプリントGⅠを3勝した馬は意外にも存在せず、同馬はまた一つ日本競馬の歴史を塗り替える快挙を達成したことになります。
今後は噂されていた安田記念参戦やロイヤルアスコットといった海外遠征などは敢行せずに、このまま秋まで休養に入るとの事。
今年後半の目標はスプリンターズS並びに香港スプリント連覇に置くということなので、残念ながら期待されていた再度の海外遠征は年末の香港までお預けになりそうですね。
しかし安田記念参戦やロイヤルアスコット遠征はまあ非現実的だとしても、5月にシンガポールで行われるクリスフライヤーインターナショナルスプリント(星GⅠ)参戦は良い案だと思ったんですけどねぇ・・・。
このレースもグローバル・スプリント・チャレンジに組み込まれているレースなので、このレースに出走した上で年末の香港スプリントに出走すれば、グローバル・スプリント・チャレンジのシリーズチャンピオンになる資格も得られたのですが・・・。
ロードカナロアならば日本馬初のシリーズチャンピオンも充分狙えただけに、正直ちょっと残念ですね。
(
パート2へと続く)
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