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『
他馬とは実力、器が違い過ぎる!! まだまだ良くなる余地を残しながら圧勝したロードカナロア ~第43回高松宮記念(GⅠ)レース回顧・Part1~』の続きです。
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■坂での脚力の違いが明暗を分ける 2番人気に支持されたドリームバレンチノは2着。
前走のシルクロードSも良い出来でしたが、今回はそれ以上に良い状態でしたね。一歩一歩に弾むようなバネを感じることが出来、GⅠで勝ち負けするに相応しい状態だったと思います。
道中はロードカナロアの後ろからの競馬となったドリームバレンチノ。スタートだけ言えばロードカナロアよりも良かったと思うのですが、直後に挟まれてしまい後方に下がってしまったのは痛かった。
結果として勝ち馬をマークするような競馬になりましたが、鞍上の松山騎手としてはこの位置からの競馬は想定していなかった筈。もっと前で競馬する事を考えていたと思えるだけに、あのスタートの不利は痛かったですね。
直線では外に持ち出したドリームバレンチノ。追い出しのタイミングはほぼ一緒だったと思いますが、坂を駆け上がる時にロードカナロアに突き放されてしまいました。
坂を上りきってからは再度詰め寄ってきてはいるのですが・・・。坂で差を付けられた分、最後詰め寄れなかった印象ですね。
結果として急坂での脚力の違いが2頭の明暗を分ける形になった。そう言い切っても良いようなレース内容だったと思います。
■スロー逃げで文句を言われる筋合いなし 果敢に逃げたハクサンムーンが、大健闘の3着入線。
パドックでのハクサンムーンですが、少々発汗が目立っていましたね。元々パシュファイヤーを着けている事からも分かるように、気性的に難しいところがある同馬。
それだけに多少のイレ込みやうるささは想定内なのですが、お腹だけでなく首とかにもかなり発汗の後が見えていただけに、正直どうかな?と思っていたのですが・・・結果的にはさほど影響はなかったようですね。
スタートはそれ程速くなかったハクサンムーン。ただ二の脚の速さは流石であっという間に先頭へ。
ハクサンムーンといえば代名詞となっているのがハイペースの逃げですが、今回の同馬はいつになく抑えが利いており、また他馬もむやみに競りかけてこないこともあって、鞍上の酒井学騎手は予想外にスローな逃げを打ちます。
前半3ハロン通過が34秒3、後半3ハロンが34秒0というペース配分はまさに絶妙と言えるもので、今回誰もが驚いたハクサンムーンの驚異的な粘りは、酒井学騎手の理想的なペース配分が生み出したものと言っても過言ではないでしょう。
ちなみに今回ハクサンムーンがいつもの様にハイペースで逃げなかったことに対して、『なぜいつものように飛ばさなかった!』『こんなペースはGⅠに相応しくない』と文句を言う人がいるみたいですが、当の酒井騎手やハクサンムーン陣営にしてみれば随分身勝手な言い分ですよね。
だって別にハクサンムーンは他の馬のペースメーカーをやっている訳じゃないんですから。一つでも上の着順を目指して。あわよくば勝ちをも狙ってレースに参加している訳ですから、別にこういう逃げを打ったって何の問題もないでしょう。
そもそもいつもと違う逃げを打って大敗したのならともかく、新境地を開いて3着と好走しているのですから、文句を言うほうがおかしいと思うのですが?それこそ大昔に流行った『テレビ馬』じゃあるまいし(苦笑)
もし文句を言うならば、このような逃げを許して且つハクサンムーンよりも下の着順に甘んじた騎手たちに対して言うべきでしょう。それならばまだ話は分かるんですけどね。
今回の酒井騎手の騎乗は非難されるようなものではなく、大金星を狙った素晴らしい騎乗である。そう言い切っておきたいと思います。
■上を目指すにはもうワンパンチ欲しい
ここまで3連勝中だった新星サクラゴスペルは4着。
パドックでの同馬の状態ですが、出来落ち等は全く感じられず良い状態だったと思います。ただ馬体そのものはサンデー系らしいスラッとした体型で、正直スプリンターと言った印象は余り受けませんでしたね。
レースではマズマズのスタートから好位4番手を追走。流れもそんなに速くありませんでしたし、ポジション的には理想的な位置取りだったのではないでしょうか。
直線でもタイミングを計った上で追い出されたのですが、そこで内にモタれてしまい結果的にロードカナロアの進路を作ってしまう羽目に。
あそこで真っ直ぐと走れていれば、もっとロードカナロアに冷や汗をかかすことも可能だったんですけどねぇ。厳しいレースの経験が少ない分、勝負どころの坂で苦しくなってしまったのでしょうか。
坂を上りきってからはそれなりの脚を使い、ロードカナロアに喰らい付いているだけに、やっぱりあの場面は悔やまれますね。
初のGⅠ挑戦で4着は充分な結果だとは思いますが、上を目指すには正直もうワンパンチ欲しいところですね。
■全てをぶち壊した吉田豊 3番人気に支持されたサンカルロは9着。
状態は非常に良かったです。恐らく出走馬中最高の出来と言っても過言ではなかったのでは?戦前陣営から『ラストチャンスと思って仕上げた』とのコメントが出されていましたが、それを裏付ける素晴らしい仕上げだったと思います。
ただそんなサンカルロと陣営の仕事を見事にぶち壊したのが、鞍上の吉田豊騎手のお粗末な騎乗振りでした。
出遅れてしまったのはまあ仕方が無いとしても、その後のリードの仕方が余りにも意味不明。出遅れたので腹を括って脚を溜める競馬をするかと思ったら、中途半端に出して行き馬群の外にポジションを取るサンカルロ。
そのまま終始外々を回して脚を消耗させると、直線では更に大外に持ち出す始末。そもそも全く脚が溜まっていないのに、いつものような末脚が発揮できる訳がないわけで・・・。
結局ジリジリと伸びるも9着と大敗。もともとそんなに腕が立つ騎手でもなく、過大評価がされている騎手の代表格でも有る吉田豊騎手ですが、悪い意味で見事にやってくれましたね(苦笑)
この大事な大一番で、考えうる限りの最低の騎乗をしてみせるとは・・・。渾身の仕上げをフイにされたサンカルロと陣営が、正直気の毒でなりませんよ,ホントに。
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