ベールドインパクトが屈腱炎を発症し戦線離脱。ディープインパクト産駒はなぜ屈腱炎を発症する馬が目立つのだろうか?


ベールドインパクト
Photo by emauma

 昨秋の菊花賞で4着。その後は京都記念で2着、阪神大賞典で4着と、古馬中長距離路線で活躍していたベールドインパクト。

 今後は天皇賞での活躍を期待されていた同馬でしたが、ここに来て脚元に違和感を感じた為に検査したところ、競走馬にとって不治の病と言われる屈腱炎を発症したことが判明。

 残念ながら長期の戦線離脱を余儀なくされたことが、馬主である社台サラブレッドクラブのHPで発表されました。


スポンサードリンク

■いよいよ本格化かと思われた矢先に・・・

ベールドインパクト屈腱炎で春の盾断念 / デイリースポーツ

 デイリースポーツの記事によると、28日に右前脚に腫れが見られた為に29日にエコー検査を実施したところ、右前浅屈腱炎発症が判明したとの事。

 2011年秋にデビュー以来、中長距離路線で活躍を続けてきた同馬。ここまで重賞勝利こそ無いものの、オープン特別勝ち2勝、京都新聞杯・京都記念2着とこの路線に欠かせない有力馬の1頭として活躍してきました。

 特に近走はレース振りが安定してきて、さあいよいよ本格化だ!といった感じだっただけに、ここでの戦線離脱は本当に痛いですね。

 現時点では詳しい全治期間等は明らかにされていませんが、軽いものでも1年程度の休養期間を見込まねばならない屈腱炎。少しでも症状が軽い事を願いたいところですね。


■長距離馬ほど屈腱炎を発症しやすい

 しかしまた1頭、ディープインパクト産駒のオープン馬が屈腱炎で戦線離脱してしまいましたね。活躍馬が多いので目に付きやすいという側面はあるでしょうが、実際他の種牡馬の産駒よりも多いと思います。

 以前当ブログでも屈腱炎の発症メカニズムについて記事にしたことが有ります。以下がその記事です。

 競走馬にとっての不治の病『屈腱炎』について、その発症原因を調べてみた

 この記事にも書きましたが、屈腱炎の発症確率はその馬の走行距離・時間と密接な関連性を持ちます。

 基本的には短距離馬よりも長距離馬の方が発症確率が高くなる為、ステイヤーと言われる馬はスプリンターやマイラーよりも、屈腱炎に脅かされる可能性はかなり高いのです。

 ただ勿論これにも個体差が有ります。そうじゃないと歴史上のステイヤーは、皆屈腱炎を発症していないとおかしいことになりますからね(苦笑)


■腱線維の変性を抑える酵素の存在

 先の記事には書いてなかったのですが、サラブレッドの屈腱部には『屈腱の前駆病変』を抑制する酵素が備わっているそうです。

 この酵素が腱線維の変性を防ぐ働きをし、屈腱部が前駆病変と呼ばれる状態になってしまうのを防ぐ訳ですが、どうもこの酵素の働き自体に、個体差があるみたいなんですね。

 例えばステイゴールドは代表産駒のオルフェーヴルやゴールドシップに代表されるように、比較的長距離で活躍する産駒が多い種牡馬ですが、その産駒はみな脚元が丈夫で余り屈腱炎を患う産駒はいません。

 しかしディープインパクトはステイゴールドよりも短めの距離を主戦場にするのにも関わらず、屈腱炎を患う確率が明らかに高い。これはオープン馬に限らず条件馬でも一緒です。そもそも屈腱炎の発症確率に能力は余り関係ないですからね。

 この事から考えると、ディープインパクト産駒はステイゴールド産駒や丈夫と呼ばれる他の種牡馬の産駒よりも、腱線維の変性を抑制する酵素が明らかに少ないのではないでしょうか。そうじゃないと屈腱炎が多発する理由が説明できませんからね。


■大レースを狙うには申し分ない種牡馬だが

 脚が曲がっている産駒などは余り見ませんので、骨折リスク等は他の種牡馬と余り変わらないと思われるディープインパクト。

 ただ真面目な気性が災いしてかレースで一生懸命走り過ぎてしまう馬が多い為、次走に疲れが残り易いというデメリットが初年度産駒がデビューした時から指摘されていますね。

 それにプラスして浮上した屈腱炎リスクの高さ・・・。産駒の能力レベルの高さは疑うべくも無いほど高い種牡馬なので、大レースを狙うには最適な種牡馬かと思いますが、1頭で末長く楽しみたいという馬主さんにとっては不向きな種牡馬かも知れません。

 私も一口馬主を楽しんでいるので、ディープ産駒は魅力的なんですが・・・。出資しているレッドセインツも屈腱炎を発症して1年以上休んでいますし、これだけ多発しているのを目にすると、流石に今後は出資に二の足踏みますね。まあ値段も高騰しているので、金銭的にも手が出ないんですけど(苦笑)

 やっぱり競馬を楽しむ以上、どの馬も怪我なく元気で長く活躍し続けて欲しいと言うのが本音。

 不治の病と言われて久しい屈腱炎ですが、一日も早く有効な治療法と予防法が見つかって欲しいと願います。

◆ブログ移転しました◆
新しいブログ『馬事総論ドットコム』を開設しました。今後はこちらのブログで更新を続けます。
新しいブログのURLはhttp://bajisouron.com/です。
恐れ入りますがお気に入りの変更をお願いします。

スポンサードリンク

follow us in feedly

[ 2013/03/30 14:45 ] 競馬雑談 | TB(0) | CM(-)
トラックバック
この記事のトラックバックURL