ジョワドヴィーヴルはやはり勝てず・・・桜の女王に輝いたのはジェンティルドンナ ~第72回桜花賞(GⅠ)回顧~


2012桜花賞

今年の桜花賞は明確なテーマが存在した。
それは『ジョワドヴィーヴルが勝つか、負けるか』である。

前哨戦で思わぬ敗北を喫したあとも、多くの人々は彼女に期待していた。
それが単勝2.3倍というオッズに現れていたのだと思う。

果たして彼女はその期待に応え、姉に続く桜花賞姉妹制覇を成し遂げることが出来るのか。
それとも見事その夢を阻み、桜の女王として新たに頂点に君臨する馬が現れるのか。

およそ1分30数秒後。
その答えは桜が舞う中、導き出されることになる。
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■レース展開■


ゲートが開かれ、勢い良く飛び出していく18頭。
しかしプレノタートが出負けしてしまった。

内から先手を奪いに行く構えを見せるのはエイシンキンチェム。
しかし外から押して、アラフネがハナを奪いに行く。
ここでエイシンキンチェムが競り掛けなかった為、アラフネがスンナリと先手を奪う形になった。

先頭を行くのはアラフネ。2番手にはエイシンキンチェムとマイネエポナが並び、その後ろにはヴィルシーナがやや行きたがりながらも、早めに好位を確保する。

内に並ぶようにサンシャインとエピセアローム。
その後ろにはアイムユアーズとイチオクノホシ、サウンドオブハートが追走。
メイショウスザンナとジェンティルドンナは中団に控え、後方からはジョワドヴィーヴルとパララサルー。
最後方からは出遅れたプレノタートが追走する展開となった。

最初の600m通過が34秒9、800m通過が47秒1と、前を行く馬にとって有利な流れ。早めに隊列は固まり、各馬折り合いに注意しながら脚を溜める構えに。途中プレノタートの安藤勝己騎手が仕掛けた以外は、大きく隊列が変化すること無く、馬群は最後の直線コースへ突入した。

最後の直線の攻防。
まずはアラフネが早々に脱落し、マイネエポナが先頭に踊り出る。
しかし直ぐにヴィルシーナとアイムユアーズが強襲。2頭が併せ馬の形で馬群から抜け出しを計る。

ジェンティルドンナは岩田騎手の激に応え、中団から脚を伸ばす。
ジョワドヴィーヴルも後方から脚を伸ばすが、阪神JFの時に見せたような、次元の違う脚は使えない。

残り200m。
ここで一歩前に出るアイムユアーズ。しかしヴィルシーナも必死に抵抗し食い下がる。
この2頭に襲いかかってきたのが、中団で脚を溜めていたジェンティルドンナ。
鞍上岩田騎手の豪快なアクションに応え、一完歩ごとに2頭との差を詰めていく。

ゴールまで残り100m。
ここで先頭に立つジェンティルドンナ。
アイムユアーズは抵抗できず、逆に内からヴィルシーナが再度盛り返す。

ジェンティルドンナ・岩田康誠、ヴィルシーナ・内田博幸。
地方競馬出身である2人の騎手の、火の出るような追い比べ。
そこにはJRA生え抜きの騎手には無い、勝利への執念が漲っていた。

この叩き合いを制し、先頭でゴール板を駆け抜けたのはジェンティルドンナ。
気難しさに泣かされ、クラシックへの出走が叶わなかった姉ドナウブルーの無念を晴らすと共に、所属する名門石坂厩舎に、嬉しいクラシック初制覇をもたらした。


■各馬短評■

1着 ジェンティルドンナ
パドックに現れた同馬は、チューリップ賞とは別馬のような姿をしていた。馬体重こそ減っていたが、前走時とは筋肉の張りがまるで違うその姿。これこそまさに『一変した』と表現出来る出来だったと思う。レースでは早めにポジションを確保すると、そこから無駄な動きをすること無く、ジッとしたまま最後の直線に賭けた。この辺が岩田騎手の上手さであろう。こういう流れが落ち着いたレースでは、良いポジションを取ろうと道中余計な動きをしやすい。しかしそこで動くことにより、結果として最後の直線で思うような脚を使えなくなる。岩田騎手は道中動くこと無く、最後の直線で力を爆発させた。だからこそ最速の上がりを記録し、ヴィルシーナを差し切れたのだと思う。馬も強かったが、人も上手かった。そう評価できる桜花賞だったと思う。

2着 ヴィルシーナ
惜しいレースだった。意外と細身なタイプだけに、もう少し軽い馬場の方が良かったかも知れない。レースでは序盤、やや行きたがる面を見せていた。折り合いを欠く事は無かったが、あの辺のリズムを欠いたことが、多少最後の脚に影響したかもしれない。それでも一旦はアイムユアーズに前に出られながら、そこから最後差し返した根性は素晴らしい。ジェンティルドンナには先着を許したが、馬体を接していたらもっと差は少なくなったかも。オークスでの再戦が楽しみである。

3着 アイムユアーズ
厳しい流れになった時にどうかと思ったが、思ったよりも流れが緩くなり、それも功を奏して3着と好走。競馬センスの良い馬であり、今回も上手いレース運びを見せていた。血統的にも今後はNHKマイルCだろうが、どちらかというとパワー系の血統だけに、府中の軽い芝がどうか?上がりの時計が掛かるようなら、NHKマイルCでも出番は有ると思う。

4着 サウンドオブハート
戦前はえらい強気発言を連発していた松岡騎手だが、本番では予想通り4着。フラグ回収乙、と言ったところだろうか(苦笑)パドックではさすがに休み明けだけに、他馬に比べると仕上がりが甘く見えた。その辺が最後の直線での脚に現れたのだと思う。マトモならもう少し差を詰められていた筈。前哨戦を使う大切さを、改めて感じさせるレースとなった。

5着 メイショウスザンナ
実にスムーズな競馬が出来ていた印象。道中一度も鞍上の拳が動く場面は無く、武豊騎手としても理想的な競馬が出来たのではないだろうか。最後の直線で勝ち馬に前に入られる場面は有ったが、そもそも脚色が違っており突き抜ける脚も無かった。最後はジリジリと伸びて5着。ベストの競馬をしてこの結果。正直完敗と言って良いのではないか。

6着 ジョワドヴィーヴル
マイナス4キロという馬体重に関しては、正直影響は無かったと思う。出来自体もチューリップ賞時より上向いており、体調云々は敗因ではない。一番の敗因は、『今の阪神の馬場状態は同馬には合わない』ということだろう。本来この血統は、府中や淀のような軽い馬場で本領を発揮する。それこそ楽に上がり33秒台を計時出来るような軽い馬場こそ、この一族出身の馬たちにベストの舞台なのだ。同馬はただでさえ420キロそこそこしかない。ジョワドヴィーヴルと言えども、GⅠの舞台で適性外の競馬をさせられては、キツイのは当然だと思われる。
あともう一つ敗因を挙げるならば、福永騎手の乗り方だろう。いつも通り後ろから行ったが、途中安藤騎手に突っかけられ、少し動いてしまった。その後も度々細かい修正を入れていた同騎手。この無駄な動きが、ジョワドヴィーヴルの末脚を奪ってしまったように思う。そもそも同馬は小脚が使える馬ではない。ギリギリまで脚を溜め、勝負どころで爆発させる乗り方が合っている馬だ。実際、阪神JFではそういう乗り方で勝った。馬の個性に合わせず、柄にも無く自分で動く競馬をしてしまったのも、大きな敗因の一つと言えよう。

15着 エピセアローム
出来そのものは思ったよりも良く見えたが、全く良いところ無く大敗・・・。陣営にとっては待望の内枠だったが、結果的にその内枠が仇になった印象だ。今までずっと外枠を引いていたこともあり、同馬は今まで馬群で揉まれる競馬をしたことがなかった。今回初めて内で我慢する競馬をしたわけだが、想像以上に精神を消耗してしまい、最後は競馬を諦めてしまった印象を受ける。改めて競馬は難しいと感じさせるエピセアロームの大敗だった。


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[ 2012/04/09 21:04 ] レース回顧 | TB(0) | CM(0)
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