今年の皐月賞は、強い馬同士の力と力がぶつかり合う素晴らしいレースでしたね。
そんな素晴らしいレースとなった皐月賞。注目馬のレース振りを1頭ずつ振り返って見たいと思います。
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■まさに完勝だったロゴタイプ1、パドック この馬の良さは運動神経の高さです。この日のパドックでも首を振ったりしてたまに幼い仕草を見せていましたが、その様な仕草を見せても身体は全くぶれずに歩けている。これは外側の筋肉は当然として、インナーマッスルまでしっかりと鍛え上げられている証拠だと思います。
毛ヅヤは良好。直前の追い切りが軽めだった様に、次走以降を見据えて多少の余裕を感じさせる仕上がりでしたが、9割以上には仕上がっていたでしょう。
そして何よりも漂わせる雰囲気が良かった。GⅠを複数勝つ馬というのは他馬とは違うオーラみたいなモノを身に纏っているものですが、ロゴタイプもそういったオーラの様なものを身に纏っていましたね。
2、レース さてレースですが、スタート直後は多少行きたがっていたロゴタイプ。しかしすぐに落ち着いて、向こう正面では身体の力の抜けたノビノビとしたフットワークで走れていました。
この時ライバルだったエピファネイアやコディーノは折り合いに苦労し力んで走っていただけに、ここですんなり折り合えたアドバンテージはかなり大きかったと思います。
そのままレースは流れて勝負どころの3~4コーナー。鞍上のミルコ・デムーロ騎手はエピファネイアが動いたのを見て、ロゴタイプにゴーサインを送ります。この時点で完全に相手はエピファネイア1頭に絞り込んでの仕掛けでした。
馬をあえて外に導いたのも、外からエピファネイアに併せてプレッシャーを掛ける意図が有ったからでしょう。競走馬は内よりも外からのプレッシャーに弱いものですから。
そして最後の直線。直線を迎えた時点の見た目の手応えではエピファネイアに余裕が有るように見えましたが、道中しっかりと脚を溜められていたロゴタイプが、コーナーから坂下に掛けてしっかりと加速し先頭へ。そして急坂を一気に駆け上がります。
最後はまた少し差を詰められたものの半馬身差を付けて快勝したロゴタイプ。鞍上のミルコ・デムーロ騎手も流石といえる完璧なレース運びを見せており、まさに完勝と呼ぶに相応しい強さだったと思います。
3、ダービーに向けて
1分58秒0という走破時計が示すとおり、相当レベルの高いパフォーマンスで皐月賞を快勝したロゴタイプ。これだけのパフォーマンスを示した馬ですから、当然ダービーでも勝ち負けにならない訳はないでしょう。
たしかに同馬のベストは1600~2000mだと思いますが、心肺機能が非常に高い馬ですし、とにかく身体が非常に柔軟で伸びが有ります。こういった伸びのある馬は距離の融通性が高いんですよね。
なので僅か一月半後の、しかも同世代で行われる府中の芝2400m戦なら、中間の調整によほど失敗しない限り大丈夫なのでは?
確かにダービーでこれ以上のパフォーマンスを示せるかというと微妙ですが、今回と同じ様なパフォーマンスを発揮するコンディションを保てていれば、2冠達成の可能性も充分あると思います。
問題は馬よりも、次走手綱をとる予定のクリスチャン・デムーロ騎手が府中での騎乗経験が殆ど無いことだと思いますけどね。
■負けて強しだったエピファネイア1、パドック 今回8キロ馬体を減らしていたエピファネイアでしたが、見た目には身体が減った様には全く見えず、逆に今までで一番馬体を大きく見せていたと思いましたね。
毛ヅヤは良好。脚の運びも後肢の動きにホンの少しだけ引っ掛かるようなところがあるものの、それも気持ち程度のもので実にスムーズ。筋肉も柔軟性のある良質なモノを全身に身に纏っており、全てにおいて弥生賞時よりも上昇していたと思います。
あと懸念されていた精神面の高ぶりも、少なくともパドック周回時は落ち着いており、平常心は保てていたのではないでしょうか。
素晴らしい状態でパドックに登場したエピファネイア。正直馬の出来・風格はこのメンバーでもナンバーワンだと思いました。
2、レース スタート直後、福永騎手は中団から内に入れたがっていましたが、外枠ということもあり内に馬がいて入れず・・・。弥生賞と同じ様に前に馬が置けない形になり、1コーナーから向こう正面にかけて掛かってしまいます。
向こう正面の半ばで一旦は落ち着いたものの、3コーナー手前からまた行きたがってしまうエピファネイア。
抑え切れないといった感じで徐々にポジションを押し上げ、4コーナーも抜群の手応えで回ってきましたが、直線ではその手応えほど脚は残っていませんでしたね。
ただ直線入り口でロゴタイプに一瞬の内に交わされた時は、正直千切られるかと思いましたが、そこから踏ん張り最後まで喰らい付いていたのには正直驚きました。
普通あれだけのハイペースで、しかも折り合いを欠き外々を回るというスタミナを相当ロスするレース運びでこれほど粘れる馬はいません。これは勝ち馬に勝るとも劣らない能力の持ち主であるという証拠ではないでしょうか。
『負けて強し』この言葉がピッタリなエピファネイアのレース振りだったと思います。
3、ダービーに向けて 今回はレース展開、中山適性でロゴタイプに遅れを取りましたが、府中の芝2400mという舞台が一番向いているのは恐らくエピファネイアでしょう。
もちろん今回も最大の敗因となった精神面の幼さという課題が解消されないと、いくら一番適性のある舞台といえども力をフルに発揮することが出来ず勝てないでしょうが、逆にそこさえなんとか出来ればダービーでの逆転の可能性は充分。
調教の仕方等、工夫できるところはまだまだ有ると思いますし、是非とも日本競馬最大の祭典で名門角居厩舎の底力を見せて欲しいと思います。
(
回顧記事その2へ続く)
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