明日東京競馬場では、牝馬によるマイル女王決定戦『第8回ヴィクトリアマイル(GⅠ)』が行われます。
牝馬同士による争いということで、例年高配当になり易いこのレース。その時点での状態、馬場適性などがレース結果に大きく影響しやすいこのレースですが、果たして本番で好走するような出来の良い馬はどの馬なのか?
まずは追い切りをじっくりと精査し、状態の良さそうな馬をピックアップしてみたいと思います。
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■ヴィクトリアマイル(GⅠ)の追い切り評価1番 マイネイサベル 美浦南Wコースで単走。長めから行き終いを伸ばす追い切り内容だが、身体一杯を大きく使ったリズミカルなフットワークで、相変わらず動きが良い。前脚もしなるように振れているし、後ろ脚の戻しも速い。まさに絶好調といったところ。
評価:★★★★2番 オールザットジャズ 栗東CWコースで3頭併せの内。直線半ばで左手前に切り替えてからグンと伸びる。前脚の振り、後ろ脚の戻しとも素晴らしく、身体全体を上手く使ったフットワーク。間隔が詰まっているが身体が硬くなったようなところなどは全く感じさせない。こちらも素晴らしい出来。
評価:★★★★3番 ジョワドヴィーヴル 栗東CWコースで単走。前走時に比べるとだいぶ滞空時間の長いフットワークになってきた。復帰してから2度使われ、走りにバネが戻ってきたように思う。ただ直線で何度か手前を変えたり、途中で腰を落とすようなフットワークになっていたのは気懸かり。本当に良くなるのは次走以降かも知れない。
評価:★★★4番 ハナズゴール 美浦坂路で単走。キビキビしたフットワークで前脚の振り、後ろ脚の戻し共に良し。頭が高いのはいつものことで、これはもう骨格上の問題だから致し方なし。動きに重たさを感じさせる場面も無かったし、充分力は発揮できるのではなかろうか。
評価:★★★5番 ザッハトルテ 栗東Pコースで単走。そちらかと言うとストライドが小さくピッチ走法よりの走りをする馬だが、それでも同馬なりに目一杯脚を伸ばして走っており、そのスピード感は中々のモノに感じた。首の使い方も上手く重心も低く安定。今回昇級していきなりのGⅠ挑戦となる訳だが、出来だけなら充分勝ち負けクラスのものだと思う。
評価:★★★★★6番 ドナウブルー 栗東坂路で2頭併せの外。格下と併せ3馬身ほど先着した訳だが、動き自体はやや平凡。左手前の時の前脚のがに股振りが酷かったし、後ろ脚の蹴りもそれ程強く感じられず。ここ2走ほど人気を裏切り続けているが、まだ復調途上なのかもしれない。
評価:★★7番 アドマイヤセプター 栗東坂路で単走。腰の甘さ等は感じさせなかったが、途中何度か左右にふらつく。脚の回転そのものはまずまずの速さなのだが、若干身体が硬いのか身体に伸びやかさを感じられず。重心も高めで全体的に動きがややモタモタしていた。
評価:★★8番ホエールキャプチャ 美浦坂路で2頭併せの内。若干左後肢が外に流れ気味のような気もするが、全体的な動きはまずまず。少なくとも近走2桁着順を続ける馬の動きでは無い。精神的なモノは何とも言えないが、体調自体は充分走れる状態ではなかろうか。
評価:★★★9番 アイムユアーズ 美浦南Wコースで単走。短距離志向の強い馬らしく回転の速いピッチ走法。ただピッチ走法の割には脚が良く振れている印象で、動きそのものを素軽い。追い出してから重心が下がらないのは不満だが、状態そのものは一叩きされて順当に良くなっているのでは。
評価:★★★10番 イチオクノホシ 美浦南Pコースで3頭併せの内。道中は掛かるぐらいの行きっぷりで、直線仕掛けられると最内からスッと抜け出す。これでもう少し脚の振りに勢いがあれば完璧だったが、それでも充分合格点を与えられる動き。ここに来て力を付けてきている。
評価:★★★11番 ヴィルシーナ 栗東坂路で2頭併せの内。馬場が荒れていたせいも有るかも知れないが、動き自体は思いの外パッとせず。確かにパートナーには先着しているが、フットワークに伸びやかさが感じられなかったのが気になった。一週前追い切りでも時計の割には動きが重かったし、出来が上向いていないのかも知れない。
評価:★★★12番 ゴールデングローブ 栗東Pコースで単走。長めから飛ばして行き好時計をマーク。Pコースは時計が出易いので額面どおりに受け取る訳には行かないが、体調が良いのは間違いないだろう。脚の振り、回転もマズマズ。
評価:★★★13番 レインボーダリア 美浦南Wコースで3頭併せの内。道中は抜群の行きっぷり。直線で内に進路を取るとグッと重心を下げ、馬なりのまま一杯に追うパートナー達に先着。フットワークも大きいし身体の使い方も良かった。一叩きされかなり状態が上向いている。
評価:★★★★14番 アロマティコ 栗東坂路で単走。頭が高く、後肢に比重を掛けた走り。途中何度も手前を変えたりフラフラしたりと安定しない走り。動き自体もグッと来るものが無く、正直物足りなく感じた。
評価:★★15番 フミノイマージン 栗東坂路で単走。馬場が荒れていた感じだが、動き自体は平凡。いつもレース当週の追い切りはコースで行っていた馬で、今回恐らく初めて坂路で追ったはず。そう考えると動きが目立たなかったのもそれ程深刻に考えなくても良いかも知れない。レース当日パドックの気配に要注意。
評価:★★16番 メーデイア 栗東坂路で単走。ピッチ走法で回転の速いフットワーク。脚捌きに非常に勢いがあり、身体もぶれずに真っ直ぐと登坂する姿から、現在の体調の良さが感じられる。身体の伸びにやや欠けるところがあるのでダート向きの感じもするが出来の良さで何とか。
評価:★★★17番 サウンドオブハート 美浦坂路で単走。若干後肢の蹴りが物足りなく感じないでもないが、前脚はそれなりに振れているし動き自体は素軽い。抜群に良い出来という感じではないが、状態は高いレベルで安定していると言えそう。
評価:★★★18番 エーシンメンフィス 栗東CWコースで3頭併せの中。2頭の間を割って抜け出てくるという意欲的な調教で、動き自体も素軽くスッと抜け出た。前脚の振り・後ろ脚の戻しも中々。前走は思わぬ大敗を喫したが、動きだけを見ていると巻き返し必至では?と思いたくなるほどいい動きだった。
評価:★★★★※各評価の意味は以下の通りですメンバー中1番 | : | ★★★★★ |
抜群の出来 | : | ★★★★ |
好調をキープ | : | ★★★ |
平凡な仕上がり | : | ★★ |
全然ダメ | : | ★ |
■まとめ GⅠだけに素晴らしい動きを見せた馬もいれば、『あれ?』と首を傾げたくなる動きの馬もいるなど、なかなか混沌とした追い切りだったと思います。
今回動きが一番目に付いたのは、ここがオープン昇級初戦となるザッハトルテでした。何とも意外な馬が素晴らしい動きを見せた訳ですが、ここは混戦だけに展開次第では一発有っていいかも。
それぐらい今年になってからの充実ぶりは目を引くものがありますしね。前走の勝ち時計もレコードに0秒3差という素晴らしいものでしたし、その勢いが追い切りの動きにも現れているのだと思います。
実績馬の中ではオールザットジャズ、マイネイサベルという福島牝馬S1・2着馬の動きが目立ちました。中2週という短い間隔での出走となった訳ですが、2頭とも上手く仕上げられているなと思います。
力量的にも決して勝っておかしくない2頭ですし、この2頭によるワンツーが再び再現されることになっても驚けないと思います。
あと人気薄でマークしておくべきなのは、前走マイラーズCでブービーと大敗したエーシンメンフィスですね。
マイラーズCは休み明けで中途半端な競馬をしたこともあり大敗してしまいましたが、中間はビッシリと調教が積まれており、最終追い切りでもレースを想定した様な攻めの追い切りを課されていました。
動き自体も素晴らしいものがありましたし、一叩きされたここなら一変が有ってもおかしくないのではないかと思います。
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