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遂に掴んだ大輪の華!エピファネイアの伝説はここから始まる ~2013菊花賞(GⅠ)回顧・その1~


 その日、京都競馬場は朝からずっと雨が降り続けていた。

 この日のメインレースは、牡馬クラシック最終戦『第74回菊花賞(GⅠ)』。せめて良い馬場コンディションで・・・という多くの競馬ファンの想いは、降りしきる雨にかき消されていく。

 そして菊花賞出走馬がパドックへと姿を現す時刻。多くの競馬ファンが濡れるのを厭わず、雨の降るパドックへと集まる。

 その時、朝から降り続いていた雨がピタリと止み、代わりに雲間からは陽の光がパドックへと降り注いだ。

 まるで図ったように止んだ雨と、パドックを照らした柔らかな陽の光・・・。

 それはここまで厳しい日々を戦い抜いてきた18頭の優駿たちと、競馬を愛する熱心な競馬ファンに対する、競馬の神のせめてもの贈り物だったのかもしれない。


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■風格が違っていたエピファネイア


 パドックに出てきたエピファネイアは、1頭だけ風格が違っていた。

 春に鎬を削ったライバルたちが、皆出てこなかった菊花賞。春から厳しい戦いを繰り広げ、そしてレースのたびに成長し続けてきたエピファネイアが1頭だけ違って見えたのは、当然だったのかもしれない。

 春と秋とでエピファネイアが1番変わったところ。それはよく言われているように精神面だろう。そのことはパドック周回中の同馬の姿にも良く現れていた。

 春も秋も担当の鈴木助手を引っ張るように歩く仕草は変わっていなかったが、春はそれこそ前の馬を追い越さんばかりにグイグイと歩いていたのに対し、この秋2戦は担当者の引き手を引く仕草にしっかりと従うそぶりを見せていた。

 これはエピファネイアの気持ちに、周囲の状況をしっかりと伺う余裕が出てきた証に他ならない。

 2歳時から馬体は既に超一流馬のそれを誇っていたが、3歳秋を迎えてようやく精神面と肉体面のバランスが取れてきたのだと思う。


■驚きの返し馬

 返し馬でのエピファネイアの姿も、また春とは大きく違っていた。

 春までは返し馬に下ろす寸前までは落ち着いていても、いざ返し馬に移行すると猛スピードで駆け出し、制御の利かなかったエピファネイア。

 しかし神戸新聞杯でしっかりと折り合う返し馬を見せると、今回はそれこそ調教時のキャンターを思わせるようなゆっくりとした返し馬を披露。

 ここまで福永騎手に対し従順な同馬は初めて見るだけに、この時点でエピファネイアの勝利を確信したのは言うまでもない。


■馬を信頼しきっていた福永騎手

 抜群のスタートを切ったエピファネイア。元々スタートは良い馬なのでそれ自体は驚きはしなかったのだが、先手を主張する2頭の直後、3番手のポジションを獲りに行ったのはさすがに驚いた。

 戦前福永騎手は新聞などで『多少折り合いを欠いても勝ちに行く競馬をする』とコメントしていたが・・・。神戸新聞杯での会心の勝利が、よほど自信になっていたのだろう。

 普段はどちらかと言うと「待ちの競馬」を選択することが多い福永騎手が、攻めの騎乗を選択するほどエピファネイアの能力を信頼している・・・。

 これこそデビューからずっとコンビを組み続け、良い時も悪い時も共に潜り抜けてきたからこそ熟成された、本当の信頼関係と言えるのではないだろうか。


■誰もが待ち望んでいたその姿
 
 レースに話を戻そう。

 抜群のスタートから逃げ馬2頭の直後にポジションを獲ったエピファネイア。

 1周目の3コーナーの飛び込みで逃げたバンデが外に膨らみ、その外に居たネコタイショウを吹っ飛ばすような形になった影響で、その直後に居たエピファネイアの闘争心に火が点き、ハミを噛んで行きたがってしまう。

 その姿を見て思い出したのがダービーの悪夢。

 あの時は前に馬を置いても闘争心は収まらず、しまいにはそのまま前の馬に乗りかかろうとしてしまった。

 今回もシチュエーション的にはあの時と同じ。前を行く2頭が壁になる形で果たしてどうなるかと思ったが・・・。ダービーの時と違っていたのは、福永騎手の手綱を持つ姿。

 あの時はそれこそ必死に手綱を引っ張りエピファネイアを制御仕様としていたが、今回彼の拳(コブシ)は同馬の首の付け根付近から殆ど動くことは無かった。これは見た目以上にエピファネイアに対し、制御が利いていたことを現している。

 1周目の正面スタンド前。2番手を進むネコタイショウの真後ろに進路をとったエピファネイア。その時点で彼は前の馬を追い越そうと気負うことを止め、リラックスして走ることを選択する。

 自身の闘争心を抑えることが出来ず、ひたすらがむしゃらに先頭に立つことだけを願っていた幼いエピファネイアは、その時姿を消した。

 代わりに現れたのは、有り余る力と闘争心をジッと内に秘めながら、ずっとコンビを組んできた鞍上を信頼し力を溜める大人のエピファネイア。

 誰もが待ちわびていた彼が、そのとき遂に淀のターフに降臨したのである。


■金縛りにあった後続の騎手たち

 不良馬場にしては速いペースを刻みながら、レースは向こう正面から3コーナーへと進んでいく。

 いつもの年の菊花賞ならば、長距離戦という事もあってこの時点で動き出しを見せる馬もチラホラ存在するものだが、今回エピファネイアよりも後の騎手たちは、金縛りにあった様に動けずにいた。

 これは言うまでもなく、エピファネイアが3番手と言うポジションを進んでいたせいだろう。大本命馬があのポジションで折り合っており、且つ流れがそれほど緩まないとなれば、色気をもっている後続の騎手たちは動けなくなる。

 これが例えばエピファネイアが中団の内を進んでいたとなれば、出し抜け気味に進出しセーフティリードを築いて直線粘りこもうとした騎手もいるだろう。

 しかしエピファネイアが余力を持ってあのポジションにいるとなると、そういった動きに呼応しペースを上げ、更なる消耗戦に巻き込まれる公算が高くなる。

 それによりエピファネイアを消耗させることは出来るかもしれないが、それを仕掛けた自分の馬はその時点で大敗がほぼ確定してしまう。

 勝ち負けに少しでも色気を持っている騎手が、そんな自殺行為といえる仕掛けを行うことはまず出来ないだろう。そんなことが出来るのは、ハナから勝負を捨てているものだけだ。

 2周目の向こう正面。いつもは積極的な競馬を仕掛ける川田優雅騎手騎乗のラストインパクトが、エピファネイアをマークするように4番手の外を追走していた。しかし多少差は詰めたものの、結局4コーナーまで仕掛けることは出来なかった。

 この姿こそが、後続騎手全てが福永騎手の積極的な騎乗に呑まれてしまった、その象徴的な姿と言えるだろう。


■まだまだ本当の力は見せていない

 何度も繰り返すが、エピファネイアという馬は闘争心に優れた競走馬である。

 その闘争心溢れる姿は、まだ競馬が分かっていなかったデビュー戦と、レース中に躓いて後方からの競馬を余儀なくされたダービーを除いたほぼ全てのレースで、4コーナー先頭という積極的な競馬を見せてきたことからも良く分かる。

 これは別に福永騎手がそういう競馬を意図していたからではない。エピファネイア自身が競馬を分かっており、勝負どころになると自分で勝手にギアを上げていたのである。

 ところが今回、最終コーナーを迎えてもエピファネイアは先頭を行くバンデに並びかけることなく、じっと福永騎手の指示を待っていた。

 まさかここまで自身をコントロールし、騎手を信頼することが出来るとは・・・。

 3冠最終戦で遂に自身に与えられた課題を全てクリアしたエピファネイア。その有り余る能力と闘争心をロス無くレースに向けることが出来れば、同世代で敵がいないのは当然のこと。

 鞭を全く入れることなく、後続に5馬身もの大差を付け悠々とゴール板を通過したエピファネイア。

 彼のデビュー時からずっと追いかけ続け、ようやく訪れた歓喜の瞬間。

 その無上の喜びに素直に身を任せると共に、まだまるで本気で走っていないという確かな予感に、私は身震いを覚えた。


■母から受け継いだ大きな夢

 遂に悲願のGⅠ制覇を成し遂げたエピファネイア。

 今までの走りから、そのポテンシャルの高さは優にGⅠ級と言われ続けてきたが、遂に能力に実績が追いついてきたと言えるだろう。

 これでようやく同世代のライバルたちに肩を並べることが出来た訳だが、今後はそのライバルたちへのリベンジと共に、古馬との戦いが待っている。

 だが個人的にはなんら恐れることはないと思っている。

 エピファネイアの秘めたる能力、ポテンシャルの高さは歴代の名馬たちに決して劣るものではなく、デビュー戦直後から『3冠達成も充分ありえる』と確信していたからだ。

 現時点ではまだ公式発表は無いが、馬体に問題がなければ次戦はジャパンカップが有力視されているエピファネイア。

 直線に急坂の無いコースのほうが、同馬の持つ爆発力を十二分に生かすことが出来ると思っているだけに、府中2400mはまさにベストの舞台だろう。

 相手も現時点ではジェンティルドンナぐらい。中山ならともかく、府中でゴールドシップに遅れを取るとは到底考えられず・・・。ここは普通に勝ち負けになるのではなかろうか。

 ジャパンカップを制することが出来れば、名実共に日本最強馬の仲間入り。そしてその先には世界での戦いが待っている。

 今から8年前、アメリカの地で驚異的なパフォーマンスを見せつけ、現地のアナウンサーに『ジャパニーズスーパースター、シーザリオ!!!』と叫ばせた母シーザリオ。

 母はその後脚部不安に悩まされ、再びターフに帰ってくることなく引退した訳だが、その夢と志は息子エピファネイアに確かに受け継がれている。

 来年、母が歓声を浴びた舞台よりも更に大きな舞台で、同じように現地アナウンサーを絶叫させることが出来るのか。

 母から子へ。2世代に渡る大きな夢は、まだ終わらない。

 
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[ 2013/10/22 07:20 ] レース回顧 | TB(0) | CM(-)
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