この時期になると新馬戦は既に無くなり、デビューが遅れた未出走馬は経験馬相手とのデビュー戦を強いられることになる。
レース経験の有無というのは結構馬鹿にならず、のちに上のクラスで好走するような馬でも、レース経験が無い為に経験馬とのデビュー戦では、大敗してしまうという例は珍しくない。
今回紹介するエイシンヒカリも、ここまでデビューがズレ込み、経験馬とのレースを強いられた1頭。
多くの先輩ホースたちが跳ね除けられた壁を、彼はどのように乗り越えて見せたのか。インパクトに残るデビュー戦を演じて見せた彼の走りを、改めて振り返ってみたい。
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■母父Storm Catの影響が色濃く出た馬体
エイシンヒカリは父ディープインパクト、母キャタリナ、母の父Storm Catという血統の新ひだか産の3歳牡馬(詳しくは
こちら)
父のディープインパクトは説明する必要がないほどの、日本を代表する大種牡馬。
母のキャタリナはスプリングSでフライングアップルの3着に入ったエーシンピーシーや、笠松で重賞8勝を挙げたエーシンクールディを輩出するなど、高レベルで安定した仔を送り出す繁殖牝馬。
この母の子供は母系のStorm Catが出る影響か、基本短距離で活躍する馬が多く出る傾向があるが、今回取り上げるエイシンヒカリはStorm Catの影響こそ見られるものの、明らかな短距離志向という馬体はしておらず、中距離あたりで活躍しそうな感じに見えた。
具体的に言うとがっしりと筋肉質な馬体はしているものの、体高もそこそこ高く胴も平均よりやや長め。脚の長さも標準的で、繋ぎは細くスラッとしていた。
如何にも中距離の軽い馬場で本領を発揮しそうな馬体をしており、今回外回りの芝1800mで高パフォーマンスを発揮したのは、決して偶然ではないだろうと思われる。
ちなみに仕上がりそのものは、如何にも未出走の馬らしい、随所に甘さを残すものだった。
他の未出走馬よりはいくらかマシだったが、当然腰には甘さが残っていたし、筋肉の付き方・張りも今一つ。
逆説的に言えばこの状態で経験馬相手にアレだけのパフォーマンスを見せたのだから、今後成長しパンとしていけば、どれ程のパフォーマンスを見せるようになるのか。先々が本当に楽しみな馬だと思う。
■現状過度の期待は禁物
レースでは後半の3ハロンを、メンバー中最速の34秒3でまとめたエイシンヒカリ。
高速馬場とは言え、道中のペースも決して楽なものではなかったので、この全体時計を叩き出しながら、最後の3ハロンを加速ラップでまとめ切った同馬の潜在能力は、相当高いものなのではないだろうか。
高回転のピッチ走法ながらも、一瞬の内にトップスピードに達するような切れ味よりも、長く良い脚を使うタイプに映った同馬。この辺もスピードの持続力に秀でた母父Storm Catの特徴を良く引き出していると言えるだろう。
まだキャリアは一戦だけに、過大評価は禁物なエイシンヒカリ。ここまでデビューがずれ込んだように、心身に関しての不安もまだまだ大きいはず。
おそらく本格化は古馬になってからのタイプと思われるだけに、今後もじっくりと成長を促していって欲しいと思う。
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