Photo by JRA
3回に分けてお送りしてきたオークスのレース回顧も、今回が最終回。
今回は3着のバスンスシャッセ、4着ニシノアカツキ、5着ブランネージュ、6着マーブルカテドラル、7着サングレアル、11着フォーエバーモア、13着マジックタイムについて、簡単ではあるが振り返ってみたいと思う。
それでは、まずは3着のバウンスシャッセから見て見よう。
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オークス出走馬の短評
3着、バウンスシャッセ
出来に関しては素晴らしかったと思う。
出走馬中いちばん大柄な馬体の持ち主で、パドック全体を見渡しても一際大きなことは良く分かったが、大きさを感じさせつつも重さはまるで感じさせない造りで、非常にキレイな馬体をしていた。
正直状態に関しては出走馬中1番だったのでは。すらりと脚の長い体型で、一目観てレースでの好走が確信できる出来だったと思う。
レースに関しては良いスタートから好位の内ラチ沿いを追走し、比較的スムーズなレースを展開できたのではないだろうか。
最後の直線で前が壁になり、追い出しが遅れたことは確かに痛かったが、スムーズに行かないことが多いのも競馬だからね。脚質や着差を考えると、もっと早く追い出せればと考えるのも無理は無いけど、こればっかりはね。
しかし今回の好走で、同馬が世代トップクラスの力量であることは証明できたはず。予定されていたアメリカ遠征はキャンセルされるみたいだが、秋の秋華賞は堂々たる主役で臨めるのではないだろうか。
今後の走りに期待を持たせるオークスだったと思う。
4着、ニシノアカツキ
パドックの外目をグイグイと厩務員さんを引っ張るように歩いていて、思いの外状態は良かったと思う。身体の使い方にも特に気になるところは無く、良く鍛えられていた。
レースは後方から。勝浦騎手としては決して意図していた訳ではないだろうが、結果的にハープスターをマークする形の競馬になってしまったね。同馬の存在がハープスターの結果に少なからず影響を与えたのは、先にPOSTした記事の通りだ。
ニシノアカツキ自身も、後方からよく脚を伸ばしたと思う。ハープスターほど切れなかったが、最後まで伸び続けたのは父オペラハウスの渋とさだろう。
大物感は正直感じないものの、今後もこの世代の一種の物差し的な存在として、安定した走りを続けそうなニシノアカツキ。
ローズSや紫苑Sなどの秋華賞トライアルでは、要注意したい存在だと思う。
5着、ブランネージュ
二人引きだったけどテンションはそれ程高くなく、また馬体の仕上がりもまずまずだったと思う。
レースでは好位を追走。外枠からの発走だったが、比較的スムーズに内の良いポジションを取れたのではないだろうか。
その後もスムーズなレース振りで、直線での追い出しのタイミングもちょうど良かったが、上位馬と比べると伸びを欠き5着でフィニッシュ。この辺はもしかすると若干距離が長かったのかも知れない。
6着、マーブルカテドラル
もっと良くなりそうな気はしたが、桜花賞と比べるとだいぶ状態は良くなっていたと思う。
しかしまだトモに甘いところが目立ち、ここがパンとしたらもう1段上のステージも充分望めるのではないかとも思った。
レース序盤は中団から。しかし2コーナーでやや掛かってしまい、好位までポジションを押し上げる結果になってしまう。
向こう正面に入ったところで折り合いが付き、その後はそのポジションを維持しながらの競馬。ただ馬の真後ろに入ってしまうと行きたがってしまうらしく、大外を回す形になってしまったのは結果的に痛かったと思う。
直線ではギリギリまで追い出しを我慢されるものの、いざ追い出してもグンと伸びるところは無く、逆に勝ち馬にあっさりと交わされてしまったマーブルカテドラル。
しかししぶとく踏ん張って6着と、展開等を考えると良く頑張ったのではないだろうか。
本当に良くなるであろう秋の競馬が楽しみである。
7着、サングレアル
マイナス14キロと大きく馬体重を減らして来たわけだが、腹が巻き上がってしまったとかそういうところは無く、全体的に一回り小さくなってしまった感を受けた。
馬そのものの気配はそれ程悪くなかったが、やはりGⅠのメンバーに入るとこの馬格では少々厳しい。雰囲気的にも430キロ前後は欲しいなと思った。
レースでは中団から。結果的に勝ち馬を見る形でレースを進め、これと言って不利等も無く良い感じで最後の直線を迎えゴーサインが送られたのだが、一瞬グッと来るところを見せるものの、残り200mで脚が上がってしまった。
この辺は馬体減の影響もあるだろうし、現時点での根本的な体力不足が影響した面もあるだろう。さすがに今の彼女に府中の2400mは厳しかった印象だ。
それでも7着と大崩れしていない分、今後に関して大きな可能性を感じさせているとは思う。
11着、フォーエバーモア
パドックを見た印象としてはキレイな馬だなと思うと共に、2歳時よりあまり成長していないとも思った。具体的に言うと恵まれた馬格を持つ割には、筋肉の肉付き具合が少々不満だなと。
レースでは中団から。こちらも良い感じでレースを進めたと思うが、直線早々に脚が上がり一杯になってしまう。これなどは完全に現時点で府中2400mをこなす体力が不足していた証明だろう。
馬体的には充分この舞台をこなす資質は有ると思うのだが・・・。現時点でこれ以上の活躍を期待するには、根本的な体力の向上が必要だと思われる。
13着、マジックタイム
パドックでの出来が目立っていた1頭。確かに腰に甘いところは感じさせていたが、全体の気配は中々目立っていたと思う。
レースでは好位からの競馬。デビューしてからずっと後ろからの競馬が続いていた同馬を、この大一番で先行させた横山典弘騎手は流石だと思う。
結果的には13着と大敗したわけだが、勝ちを狙って積極的な競馬を展開した姿勢は褒められるべきものだろう。結果は伴わなかったが、個人的にこの積極性は高く評価したい。
マジックタイム自身に関して言うと、結果的にはやはりハーツクライ産駒らしく、まだ馬体が未完成だったのかなと。腰に甘さを残していることからも分かるように、一般的なハーツクライ産駒と同様に秋から古馬に掛けて、本格化するタイプなのではないだろうか。
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